【転送歓迎】チェチェンイベント情報 2007.11.13

 こんにちは。最新のイベント情報をお送りします。最初はジャーナリストの林克明さんの新著「トヨタの闇」、それから、明日、14日には、日本版US-VISITと呼ばれる入国管理システムについての集会があります。在日の人々が努力して廃止された、外国人登録証の指紋押捺がありましたが、それが復活しようとしています。

 一方で、ネットを見ていると、「指紋押捺おおいに結構、それで治安が回復するなら安いものだ」とか、「日本国民みんなが指紋押捺すればいい」と思っている人々もいるようです。総合すると、<治安が悪化している>という、政府とメディアの言説を疑うことなく受け入れ、来日する外国人全員を犯罪者の予備軍とみなした上に、自分自身には<やましいことはない>ので、生体情報の提供を国民全体に強制していいと発言していることになります。

 ここでのポイントは、自分には<やましいことがない>という意識の存在だと思います。けれども何かの行為を、犯罪か、そうでないかを判断するのは<自分>ではなく、政府なり、法律です。なので、時代によっては戦争に反対したら犯罪者として逮捕され、拷問を受ける。誰だって犯罪者になれるはずです。

 <治安が悪化している>という言葉を無批判に受け入れることも、<やましいことがない>と言える心情も、かなり国家というものを信じてしまっている人の発想だなあ、と思いました。国家が間違いを犯さないなら、こんな世界にはなっていないのですが。「お上」という言葉があったころ(立憲制以前)と、人々の心情は大きく変わっていないということなのでしょうか。

 それにしても、<やましいことがない>人たちが怖いです。<他者>にはどこまでも冷淡というか・・・。

 社会を少しづつ変えていきましょう。チェチェン関係のイベントも充実です。ぜひ、ご参加ください。

  (大富亮/チェチェンニュース)

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http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20071113/1194917898 (HTML版) 発行部数:1668部

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INDEX
* 「トヨタの闇-利益2兆円の犠牲になる人々」
* 新しい入国管理審査(指紋と顔写真の提供義務化)について考える 日本版US‐VISITって何だろう?
* イベント情報
* 映画/写真展など

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■「トヨタの闇-利益2兆円の犠牲になる人々」


  チェチェンを追うジャーナリストの林さんが、チェチェン以外を追った新刊書です。ターゲットは、マスコミ最大最強のスポンサー、トヨタ都内大型書店では、なみいるトヨタ礼賛本をさしおいて平積み、面差しで販売されています。これは買うしかない!

 「驚くべき欠陥車の実態、偽装請負、労災も認められない過労死社員、まともな労働組合活動さえ認めず、社内の思想統制をつよめるトヨタ。さらには、世界各地でひろがる反トヨタ世界キャンペーン・・・。フィリピンでは労組懐柔のために工場内でストリップショー・・。これらは日本のマスコミではほとんど報じられない。

 それは、全上場企業でトヨタはダントツの宣伝広告費(1000億円以上)を遣っているからである。マスコミが批判できないのだ。

 しかし我々は、巨額の利益をあげるトヨタの犠牲になる人々の視点から、この本を書き上げた。トヨタは、日本的労使関係、日本型企業の象徴である。トヨタをみることで、日本が見えてくる」

 amazon.co.jpで購入
 http://www.amazon.co.jp/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%81%AE%E9%97%87-%E6%B8%A1%E9%82%89-%E6%AD%A3%E8%A3%95-%E6%9E%97-%E5%85%8B%E6%98%8E/dp/4828413995/ref=pd_bbs_sr_1/250-4689200-7012236?ie=UTF8&s=books&qid=1194847816&sr=8-1


 そしてロシアの闇を追った「プーチン政権の闇 チェチェン戦争/独裁/要人暗殺」もよろしくおねがいします。
 http://www.koubunken.co.jp/0400/0390.html
 

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■新しい入国管理審査(指紋と顔写真の提供義務化)について考える 日本版US‐VISITって何だろう?


 直前のお知らせになってしまいますが、明日14日(水)、東京大学で「新しい入国管理審査(指紋と顔写真の提供義務化)について考える 日本版US‐VISITって何だろう?」という公開セミナーが開催されます。参加費無料でどなたでもご参加いただけます。

 日本版US-VISITというのは、特別永住者や16歳未満を除くすべての外国人に対し、入国・再入国のたびに、指紋と顔情報の提供を義務づけるものです。「テロ対策」を名目に、昨年導入が決定され、11月20日に施行されます。指紋や顔画像といった外国人の個人情報を、犯罪捜査などにも利用しようという日本版US-VISITは、外国人をテロリスト予備軍と見なし、外国人の出入国管理・在留管理を強化することで、より差別的に扱おうとするものだと思います。

 セミナーでは、日本に在住する外国人として、クルド難民のデニズ・ドーガンさんたちも発言する予定です。お時間のある方はぜひご参加ください。

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東京大学教育学部職員組合 公開セミナー

新しい入国管理審査(指紋と顔写真の提供義務化)について考える
日本版US‐VISITって何だろう?

日時 2007年11月14日(水)18.00-20.00
場所 東京大学教育学部156教室 東京都文京区本郷7-3-1
   東京メトロ丸の内線・都営大江戸線 本郷三丁目駅徒歩5分
   東京メトロ千代田線 湯島駅徒歩10分 東京メトロ南北線 東大前徒歩15分   
内容 旗手 明 さん(社団法人 自由人権協会)による解説
   日本に在住する外国籍の方、留学生からの発言
   質疑応答・意見交換
参加費 無料(どなたでもご参加いただけます)
お問合せ 東京大学教育学部職員組合 事務局(勝野)
   電話&ファックス 03-5841-3967

 今月下旬から、米国に次いで日本でも入国する外国籍の方に指紋と顔写真の提供が義務づけられるようになります。目的はテロ未然防止とされていますが、外国籍の方に対する人権・プライバシー人権侵害となる懸念も拭いきれません。また、米国では管理ミスから思わぬところでまったく別の人に影響を及ぼす例も報告されています。
 大学には外国から研究者、学生が訪問されていますし、多くの留学生が学んでいます。そこで、日々外国籍の方たちと共に研究・教育活動を行っている大学の一員として、この問題についても一緒に考えて
みることにしました。
 多くの市民、学生、教職員の皆さんのご参加をお待ちしています。

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 本場のUS-VISITについては、こちらの解説記事が参考になると思います。
 http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20071113/1194909283

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■イベント情報

 まずは今週のチェチェン関連のイベントの紹介を。15日(木)には藤沢で『踊れ、グローズヌイ!』上映会が、18日(日)には水戸で林克明さんの講演会「アンナ・ポリトコフスカヤ暗殺とチェチェン戦争」が開催されます。お近くにお住まいの方は、どうぞご参加ください。
 来週22日(木)には大阪でも『踊れ、グローズヌイ!』上映会があります。そして、23日(金・祝)には、東京で、ロシア研究者の中澤孝之さんをお招きし、「アレクサンドル・リトビネンコ追悼集会 ―ロシアの闇とチェチェンの平和を考える―」を開催します。よろしければぜひご参加ください。その他のイベントも要チェックです。


● 11/15 藤沢:『踊れ、グローズヌイ!』上映会
チェチェン関連映画『踊れ、グローズヌイ!』
ぼくたちは「テロリスト」じゃない。世界に伝えるため、子どもたちは踊る
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=1041


● 11/18 水戸: 講演会「アンナ・ポリトコフスカヤ暗殺とチェチェン戦争」
ポリトコフスカヤ暗殺とチェチェン戦争。ジャーナリストの林克明さんが語る
http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20071014/11924460861


● 11/22 大阪:『踊れ、グローズヌイ!』上映会
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=1041


● 11/23 アレクサンドル・リトビネンコ追悼集会 ―ロシアの闇とチェチェンの平和を考える―
亡命先のロンドンで暗殺された元FSB将校、アレクサンドル・リトビネンコの著作とその死から、現代ロシアの実情に迫る
http://chechennews.org/event/


● 12/1 明石:『踊れ、グローズヌイ!』上映会
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=1041


● 12/8 町田:『踊れ、グローズヌイ!』上映会
講演あり:大富亮(チェチェンニュース発行人) 「チェチェンで何が起こっているのか」 http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=1041


● 11/14 港:クルド問題と日本
クルド問題の本質について議論するための政策懇談会
http://www.tkfd.or.jp/event/detail.php?id=66


● 11/14 文京:新しい入国管理審査について考える 日本版US-VISITって何だろう?
今月下旬から、外国籍の人に指紋と顔写真の提供が義務づけられる。人権・プライバシー権侵害ではないだろうか
http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20071107/1194445080


● 11/16 千代田:政策提言「インドの躍進と日本の対応」報告会
政策提言と、そのフォローアップ。主催:財団法人日本国際フォーラム
http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20071029/1193668061


● 11/16 世田谷:第10回 中東カフェ 私のなかの「ユダヤ人」-アイデンティティを見つめ直す-
帰化申請の却下で自己のアイデンティティを考えた始めた、ルティ・ジョスコヴィッツさんのお話。中東専門家を交えた討論も
http://www.japan-middleeast.jp/kako_chuto-cafe/10cafe.html


● 11/17 千代田:地教研 創立50周年記念シンポ 地理教育がきりひらく明日
地理教育はこんなに面白い――いまあらためて地理教育の魅力を語る
http://www.geocities.jp/chikyouken/50shunen.html


● 11/18 千代田:NO NUKES MORE HEARTSストップ再処理 パーティー&パレード
核は私たちに何をもたらしたのか?最初は原爆、そして今は電気エネルギー?でも核のごみがどうなっているのかは知らない。今、私たちの選択が未来を決めてしまう。知ろう、そして自分で考え、選んでみよう!
http://www.nonukesmorehearts.org/top.html


● 11/20 千代田:日本版US-VISIT施行抗議行動
指紋押捺復活反対! 外国人管理を強める「日本版US−VISIT」施行に抗議しよう
http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20071112/1194837181


● 11/23-12/2 京都,名古屋,大阪,那覇,仙台,札幌,東京,広島:STOP THE WALLキャンペーン ファトヒ・クデイラートさんスピーキング・ツアー
イスラエルアパルトヘイトに反対する活動家ファトヒ・クデイラートさん来日!
http://palestine-forum.org/event/20071125.html


● 11/26 横浜:やっぱり9条-神奈川から世界へ
若者が歌う、語る、半藤一利さんと小森陽一さんの対談など
http://homepage2.nifty.com/article9/


● 11/26 新宿:インドネシアの宗教紛争とイスラーム・テロの真相
中スラウェシの宗教紛争の現場を、二人の活動家が語る
http://www.nindja.com/modules/eguide/event.php?eid=9


● 12/1 文京:「終焉に向かう原子力」(第5回)
浜岡原発六ヶ所再処理工場の本格操業の停止を
http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20071010/1191973811

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■映画/写真展など


● 10/28-11/27 丸亀:Space of Time/時の間(ときのあわい) つかもと やすこ個展
大阪とニューヨークを拠点に活動するアーティスト。認識する力、感覚と思考の繋がりを疑いながら。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~Arte2000/current.html


● 11/3-2/3 文京:日本とドイツの美しい本2006
日本とドイツのコンクールで選ばれた美しい本の展示
http://www.printing-museum.org/exhibition/pp/071103/


● 11/4-12/15 東松山:日本の報道写真家たち-世界の戦場から-
悲惨な戦場でも、決して失われない人間の美しさを映し出す
http://www.aya.or.jp/~marukimsn/kikaku/2007/jvja.htm


● 12/14-16 新宿:ロシア・アニメーションフェスティバル2007
帝政時代から続く高度なロシアアニメーション。マルシャーク「森は生きている」も
http://www.cinematopics.com/cinema/news/output.php?news_seq=6542

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