チェックメイト?カスパロフ、大統領候補から脱落

[もう一つのロシア 12/14]
原文: http://www.theotherrussia.org/2007/12/14/blocked-in-all-directions-kasparov-drops-presidential-bid/

 中央選挙委員会(CEC)は、ガルリ・カスパロフを3月の大統領選挙から排除した。カスパロフの属する政党「統一市民戦線」の事務局長デニス・ブリノフは、チェスの元世界王者が序盤から妨害されたとSobrok@ruに語った。

 ロシアの法律では、大統領選に出馬するためには、候補者は500人以上の支持者を一箇所に集めて、署名を集め、支持者の前で大統領選への出馬を表明しなければならない。カスパロフもそのための準備をし、適切な開催地を予約していた。ところが、集会が開催される直前に、管理者が技術的な問題点をあげつらって契約を破棄してきた。ブリノフによると、実際の理由はおそらく当局からの圧力であり、他のグループは同じ施設で9日に集会を開いており、14日にも別のグループによる集会が予定されているという。反体制派グループは頻繁にこうした状況に直面する。民間施設で集会を開こうとすれば当局から脅され、契約を破棄されてしまうのである。

 ブリノフは、中央選挙委員会に対して、カスパロフが置かれた特殊な状況を説明し、二つの解決策を提案した。一つ目は、中央選挙委員会の代表のウラジーミル・チュロフが間に入って、管理者に対する政治的な業務妨害を阻止すること。二つ目は、統一市民戦線が別の場所で集会を開くことを許可すること。けれども、中央委員会はどちらの解決策も受け入れず、カスパロフらに対して、別の場所で集会を開催し、開催日の五日以上前に届けを出すよう要求した。あいにく大統領選の候補の受付は12月17日で終了するため、五日前に届け出をすることは不可能である。

 大統領選に出馬するための法的手段を奪われ、ガルリ・カスパロフは登録者名簿から自分の名前を削除せざるをえなかった。「もう一つのロシア」の指導者であるカスパロフは、抗議の意味を込めて、また支持を訴えるために、今後も非公式に選挙運動をしていく予定である。カスパロフはロシア全土から署名を集め始めており、署名運動は草の根的に広がっている。

 「クレムリンのもとではフェアプレイなど不可能だ」(カスパロフ)

 9月30日、カスパロフは「もう一つのロシア」の統一候補に選ばれていた。