東京新聞:ロシア地方実力者発言『双頭体制』に波紋『地方首長の直接選復活を』プーチン氏に異議

(2008年6月25日 朝刊) ロシア中部タタルスタン共和国のシャイミエフ大統領(71)が、プーチン首相が大統領当時に廃止した地方首長直接選挙制の復活を訴え、波紋を広げている。シャイミエフ氏は与党「統一ロシア」共同議長を務めるなど、ロシア政界きっての実力者。発言の背景に、双頭体制下での権力闘争も見え隠れしている。 (モスクワ・常盤伸)
 問題発言は今月十四日、同共和国の首都カザニで開かれた「ロシア語メディア世界大会」で飛び出した。シャイミエフ氏は、旧ソ連諸国などの報道陣を前に「われわれは(地方首長の直接選挙制に)戻ると思う」「知事は選挙で選ばれるべきだ」と主張した。
 連邦大統領による各共和国の大統領、州・地方知事の事実上の任命制は、二〇〇四年九月、ロシア南部北オセチア共和国の学校占拠テロ事件直後に、プーチン政権がテロ抑止を理由に導入した。指名された首長候補者を議会が支持しない場合、連邦大統領は議会を解散できる。

 大統領や首相はシャイミエフ発言への言及を避けているが、ロシア中央紙「コメルサント」は、大統領府筋の情報として「大統領は首長の公選制復活に反対していない」と伝えた。シャイミエフ氏が一石を投じた首長選出問題は、双頭体制の行方に絡みそうだ。

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