マスハドフ大統領の家族の解放についての声明

ootomi2005-06-01

チェチェン独立派系のサイト、カフカス・センターによると、カディロフツィ*1によって誘拐されていた、独立派のアスランマスハドフ大統領の家族8人が解放されたとの報に接し、以下の声明をします。

解放の報道があったのは、同大統領の兄弟姉妹であるブチュ・アリエヴィナ・アブドゥルカディロヴァさん(67歳)、レチャ・アリエヴィッチ・マスハドフさん(68歳)とレマ・アリエヴィッチ・マスハドフさん(55歳)、甥であるイフヴァン・ヴァハエヴィッチ・マゴメドフさん(35歳)*2、遠縁にあたるアダム・アブドゥル‐カリモヴィッチ・ラシエフさん(54歳)、姪であるハディジャト・ヴァハエヴィナ・サトゥエヴァさん(40歳)とその夫ウスマン・ラムザノヴィッチ・サトゥエフさん(47歳)、義弟であるモフラディ・アブドゥルカディロフさん(35歳)。この人々は、2004年12月に、カディロフツイに誘拐された後、ホシ−ユルトの私設収容所に投獄されており、6月1日に解放されました。

今回の解放がどのような条件によるものかは不明ですが、罪のない人々を、対立する独立派の代表者が家族にいるという理由で連れ去るという、野蛮な行いが中止されたことを、歓迎します。

留意すべきことは、カディロフツイの今回の行動は、ロシア・チェチェンいずれの司法当局とも無関係になされたものであり、この行為は「拘束」ではなく、犯罪行為−「誘拐」であったことです。

なお、3月にロシア軍に殺害された独立派穏健指導者、アスランマスハドフ大統領の遺体は、いまだに返還されず、不当にロシア側が保持しています。これは死者に対する冒涜であるとともに、チェチェンの人々に対する挑発にほかなりません。ロシア当局には、このような愚挙をただちにやめ、遺体を家族に引き渡すよう、ひきつづき強く要望します。

2005年6月1日 大富亮 チェチェンニュース発行人

関連情報:
http://kavkaz.org.uk/russ/content/2005/06/01/34617.shtml

マスハドフの家族、誘拐される:
http://chechennews.org/chn/0502.htm

マスハドフ大統領の遺体返還・家族の解放を求める公開書簡:
http://chechennews.org/chn/0510.htm

*1:親ロシア派のチェチェン第一副首相・ラムザン・カディロフの率いるマフィア

*2:マゴメドフさんのみ、6月6日現在、解放されていないとの報道あり