英国メディアに偏向ありや? あるいは、アメリカは世界の宗主国たりうるか?


チェチェン総合情報での、1月5日のパレスチナ関連記事についての感想をいただきましたので、ご紹介します。

 イングランドの事情は少し違うと思います。BBC は危険を顧みず、この地区に特派員を派遣しています。イングランドでの報道は、戦果の不公平(Disproportionation)でした。イスラエルは声高に自分達に迫る危険を叫び、イングランドでもそれを伝えますが、画面にはイスラエルが被った被害のすぐ後に見る影もなく破壊されたパレスチナやヨルダンの町が写され、イスラエルの死者:十人、パレスチナの死者:百人等と並べた画面が出て来ます。これを見れば、BBC が何を伝えたいか歴然と分かります。

 我等が受けた印象では、イングランドではユダヤ人は決して尊敬されていません。むしろ、自分の利益を守るために弱いものいじめをしている人種と見なされていると思います。日本で、パレスチナ人に問題があるように報道されているのは、現地に特派員を駐在させないままアメリカのソースを受け売りするからです。今朝の FEN ではニューヨーク市長のブルームバーグが「イスラエルの自衛策を完全に支持する」と言明した事を伝えていました。
 しかし、最近のイングランドでは、傲慢な人間は軽蔑されますから、日本で報道されているとは異なり、ユダヤ人は決して尊敬されていません。我等はイングランドにいる間に「ユダヤ人は選ばれた民だから、何をしても許さると信じている人種」と思うようになりました。ノブレス・オブリージュ(高い地位に伴う義務)」が当然と受け取られる国では考えられない事です。同じ英語圏でありながらアメリカではこの言葉を一度も聞きませんでしたし、実感したこともありませんでした。

 ついでにイングランドでの実感を基にして言えば、「アメリカ人は世界の頂点に立てても、植民地の宗主国にはなれない」です。宗主国になろうとすれば、相手の国の自由に任せなければならず、イングランドがそれを出来るのは、植民地政策の中で学習したからと思っています。アメリカが世界の頂点で尊敬されたければ、「ノブレス・オブリージュ」を理解して学習をする必要があると思います。(T)