核のごみ最終処分場を、皇居につくろう!
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今日のトピックス/イベント情報/この日記の目的/福島第一原子力発電所の状況/使用済燃料プールの冷却/大気を経由した汚染/汚染水・海水を経由した汚染(海洋投棄)/地下水を経由した汚染/モニタリングデータ/計画停電は何のため?/重要情報のブックマーク/読み物系ブックマーク
今日のトピックス 核のごみ最終処分場を、皇居につくろう!
おはようございます。
原子力発電はそれ自体でも危険なものですが、もし、これから事故もなく運転できたとしても、一年間に広島型原爆の5万発分の放射性廃棄物(死の灰)が出ます。これは10万年の間、安全に保管されなければならないものです。知ってましたか?
そんな死の灰を、モンゴルに捨てようという、驚くべき話が進んでいました。毎日新聞のスクープです。
核処分場:モンゴルに建設計画 日米、昨秋から交渉 原発ビジネス拡大狙い
経済産業省が昨年秋から米エネルギー省と共同で、使用済み核燃料などの世界初の国際的な貯蔵・処分施設をモンゴルに建設する計画を極秘に進めていることがわかった。…モンゴルは見返りとして日米からの原子力技術支援を受ける。 http://mainichi.jp/select/world/news/20110509ddm001040055000c.html
しかし、日米で出た核のゴミを、技術と引きかえに引き取らせるなんて、いくらなんでもモンゴルを馬鹿にしすぎです。そこで、代替案を考えてみました。
皇居の地下300メートルを最終処分場にする
上空より見た、恩賜・千代田放射性廃棄物最終処分場(アトラッシュちよだ:仮称)予定地
利点その1:モンゴルに迷惑がかからない。
利点その2:広大だが国有地のため、用地買収の必要がない。
利点その3:国会、中央官庁、大企業、経団連会館(電気事業連合会も入居)に囲まれているため、最高度に安全な施設と保守管理が期待できる。
利点その4:千代田区は意外に人口が少なく(夜間4万人。23区で最少)、交通機関もきわめて発達しているために、万一の事故の時、避難が容易。
利点その5:地下施設、地下鉄、埋め込みのインフラがほとんどなく、建設が容易。
われながら名案です。これをきっかけに首都移転の現実化もありえますが、経産省、文科省、気象庁、経団連の逃亡だけはナシの方向で。
そして、ちょうどいいことに東京は人材にも恵まれています。石原慎太郎・東京都知事はいまでも原発推進派を自認し、「福島のためにできることは何でもやりたい」そうです。福島以外の廃棄物も入ってきてしまいますが、長年の懸案を一挙に解決すれば、大勲位*1も夢ではありません。
ビジュアルです。クールですね。
(http://www.numo.or.jp/q_and_a/03/01.html より)
では皇居をどうするかです。天皇・皇族がそのまま住み続けるのが、安全対策上もっともいいのですが、赤坂御所、浜離宮などへの移転も考えられます。そうした場合、十分に安全な筈なので、吹上御所は迎賓館として再利用する手もあります。海外の首脳に、実際に核のごみの上で宿泊してもらうことで、日本の技術水準の高さを十分に理解してもらえるでしょう。
人里離れたところに最終処分場を作ると、どうしても管理が手抜きになりますし、処分場があることで、さらに過疎化が進んでしまいます。自然、予算も人も少なくなって悪循環です。
また、この処分は全部で何十兆円かかるかわかりませんが、すべてコストで、1円も利益を産み出しません。ですから机上の計算より早く破綻して、環境に放射能が広がることが懸念されます。そうならないための『恩賜・千代田放射性廃棄物最終処分場(アトラッシュちよだ:仮称)』なのです。
そして、安全な最終処分のために皇居を下賜することは、文字通り「千代に八千代に*2」、民の安寧を願う大御心にも叶うことでしょう。那須御用邸のお風呂場を被災者に提供するのは結構ですが、スケールが小さすぎます。
それではまた明日まで、お元気で。
※原発の不条理性を明らかにするためのコンテンツです。
※※この映画も重要です。ただいま渋谷・アップリンクで上映中!
本作品はフィンランドのオルキルオトに建設中の、原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場"オンカロ(隠された場所)"と呼ばれる施設に、世界で初めてカメラが潜入したドキュメンタリー作品です。
高レベル放射性廃棄物は安全な状態になるまで、10万年間かかると言われています。フィンランドでは、固い岩盤を掘削し地下500メートルにまるで地下都市のような巨大な施設を、自国の原発から出る放射性廃棄物の最終処分場として作る事を計画しています。現在の段階では正式に運用されるのは2020年を予定しています。
アップリンクでは、本来この作品を今秋に公開する予定でした。しかし、福島原発の放射能汚染の事故が起き、原発に関する知識を得る事を必要としている人が多いと思い、2011年4月2日から緊急公開する事にしました。 http://www.uplink.co.jp/100000/
イベント情報
ぜひ、お近くで開かれる集会やデモにご参加ください。このところ、イベントが多すぎて(素晴らしい!)、追いきれなくなってきました。そこで、次のサイトをご参照ください。
http://newsfromsw19.seesaa.net/article/195072595.html
http://datugeninfo.web.fc2.com/
この日記の目的
福島第一原発事故に関する情報を、手短にまとめる試みです。不正確な点がありましたら、どうぞメールなどでご指摘下さい。 editor@chechennews.org (情報提供もお受けしています)
サイトの内容の引用やリンクはご自由にどうぞ。
福島第一原子力発電所の状況
1号機 | 2号機 | 3号機 | 4号機 | |
製造 | 1971年GE製 | 1974,GE,東芝 | 1976,東芝 | 1978,日立 |
空中写真 | ||||
主な出来事 | 3/12 水素爆発(原子炉建屋) | 3/15 水素爆発(圧力抑制プール) | 3/14 水素爆発(原子炉建屋) | 3/15 水素爆発(使用済燃料貯蔵プール) |
原子炉 | 燃料400体。炉心溶融水位0。圧力容器破損。燃料棒がすべて溶けた可能性が高い。上部温度100度。圧力容器の最底部に穴、燃料が格納容器中に落ちている? 格納容器も損傷。 | 燃料548体。炉心溶融。圧力容器破損。圧力抑制プール破損。真水注入中。 | 温度急上昇中。燃料548体。炉心溶融。圧力容器破損の疑い。真水注入中 | 燃料なし |
燃料の損傷率* | 70%〜100% | 30% | 25% | - |
使用済燃料プール | 使用済燃料292体、新燃料100体。水位、水温不明。 | 使用済燃料587体、新燃料28体。燃料破損の疑い。水位不明、水温(51度)。注水中 | 使用済燃料514体、新燃料52体。水位、水温不明。注水中 | 使用済燃料1331体、新燃料204体(!)。燃料棒の一部が破損。通常の100倍濃度の汚染水あり。水温90度前後。注水中。漏水あり |
高濃度汚染水 | 2万5千トン。タービン建屋地下の汚染水は380万ベクレル/cc。核分裂生成物(死の灰)漏出か。複水器から貯蔵タンクへ移送中。 | 2万5千トン。取水口付近の汚染水はヨウ素131が210ベクレル/cc(法定限度の5300倍)。核分裂生成物漏出か。複水器から貯蔵タンクへ移送中。 | 2万2千トン。原子炉建屋地下に深さ5mの汚染水。タービン建屋地下の汚染水は390万ベクレル/cc。核分裂生成物漏出か | 原子炉建屋地下で2万トン。濃度も事故後に上昇を続けている。 |
その他 | 原子炉建屋内の温度40度、湿度94〜99%の蒸し風呂状態。放射線値不明。人間による内部での作業は極めて困難。 | ウランとプルトニウムを混在させたMOX燃料を装荷。制御困難に陥りやすく、拡散した場合に毒性が最も高い。 | もっとも多量の核燃料がプールに貯蔵されている。プールが高所にあるために、余震による倒壊が懸念されている。 | |
主な出典 | *4/7東電発表値を採用 東京新聞連載「福島第一原発の現状」、NewYorkTimes"Status of the Nuclear Reactors at the Fukushima Daiichi Power Plant"など 空中写真はPhotos of the Day - Fukushima Dai-ichi Aerialsより |
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使用済燃料プールの冷却
すべて生コン圧送機で注水中。
大気を経由した汚染
参考図
ドイツ気象庁による放射性物質の飛散予想(むこう3日間)。放出源の濃度が分からないため、気候条件のみによる予想です。つまり、この期間のあいだにあり得るベントや爆発によって、放射性物質が放出した場合に、どのように拡散するかをシュミレートしたものなので、この図から直接、危険度を評価することはできません。くわしい説明はこちらを:"with eyes closed." by Kan Yamamoto http://www.witheyesclosed.net/post/4169481471/dwd0329
汚染水・海水を経由した汚染(海洋投棄)
4月に入り、東電はタービン建屋で見つかった汚染水約1万トンを海洋投棄した。オリンピック規格のプール3杯分にあたる。汚染水のほとんどは、事故後の冷却作業による注水が、炉心と使用済燃料プールを経由して漏出しているため、冷却すればするほど、放出量も増加する。今も建屋に溜まっている水だけで6万トンにのぼる。
[http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819595E0E3E2E2938DE0E3E2E6E0E2E3E39F9FE2E2E2E2:title= また、2号機の取水口付近からの汚染水は、流出総量が推定で520トン、汚染水に含まれる放射性物質の量は4700兆ベクレル(4700テラベクテル)だった。]
「海はごみ捨て場じゃない」全魚連関係者が東電に抗議。http://www.asahi.com/national/update/0406/TKY201104060148.html
今後、東北地方太平洋側の海洋は、かつてない規模の放射能汚染が続くと思われる。これについては、下記のフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)が作成した図が参考になる。
「原発はコストの低い電源であり、日本経済を支えている」といった主張は、急速に無意味なものになりつつある。むしろ、「原発は極めてコストの高い災害をもたらし、日本経済にトドメを刺そうとしている」と考える段階に来ているのではないだろうか。
政府と東電は「海水の放射能は拡散することで放射線量が減少するので影響は少ない」としているが、実は拡散した核種をプランクトンが吸い込み、それを魚が食べ・・・という形で、食物連鎖のなかで、蓄積されていく。そして高濃度に汚染された魚介類を、私たちが食べることになる。
発電所の沖合い30キロの地点でも、ヨウ素131やセシウム137が観測されている。4月13日の厚労省の発表によれば、福島県いわき市沖・福島第一原発から35キロの地点で採取されたコウナゴから、1万2500ベクレル/kgの放射性セシウムを検出した。食品衛生法での暫定基準値の25倍。
今後は、規制値の変更(緩和)にも注意が必要。
参考:汚染水の拡散予測(フランスIRSNによる)
http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2011/04/irsn-b3b6.html
地下水を経由した汚染
2号機周辺に設置された井戸から出た地下水の放射能濃度が、ここ1週間で17倍に増加している。ヨウ素131が1ccあたり610ベクレル。(4/15朝日 http://www.asahi.com/national/update/0414/TKY201104140463.html )
モニタリングデータ
首相官邸のサイトより:放射線モニタリングデータ
http://www.kantei.go.jp/saigai/monitoring/index.html
計画停電は何のため?
今月で計画停電が終了の見込みなので、この項目は過去ログに入れました。
http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20110407/1302151867#keikakuteiden
参考文献と、重要情報のブックマーク
原子力資料情報室 http://cnic.jp/
福島原発事故情報共同デスク http://2011shinsai.info/
「福島原発震災」をどう見るか―私たちの見解(その1)http://kk-heisa.com/data/2011-03-23_kkkenkai.pdf (『柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会』)
「福島原発震災」をどう見るか―私たちの見解(その2) http://kk-heisa.com/data/2011-04-07_kkkenkai2.pdf (〃)
全国の放射能濃度一覧 http://atmc.jp/
小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章氏の情報発信 http://hiroakikoide.wordpress.com/
参考資料 マニュアルどおりにならない原発事故対応 〜パニックに陥らず、正確な情報で行動しよう http://d.hatena.ne.jp/chechen/20110325/1301023227
「社会情報リテラシー講義:福島原発事故をめぐる「安全」報道を考える」
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- 第1回 「科学」「安全」「安心」:問題を整理する http://researchmap.jp/jowricset-111/#_111
- 第2回 基準と単位を整理する http://researchmap.jp/jo6nkzpvy-111/#_111
- 第3回 数値を確認する http://researchmap.jp/jo7wxgftu-111/#_111
- 第4回 事後と事前:安心と安全の境 http://researchmap.jp/joge2by5g-111/#_111
- 第5回 比べること:安心と安全の境(2) http://researchmap.jp/joxfh3rfa-111/#_111
- 第6回 冷静と混乱のあいだ http://researchmap.jp/joq9cru43-111/#_111
- 第7回 「安全」の視点から情報と対応を検討する http://researchmap.jp/jo46bzfzc-111/#_111
- ベクレルとシーベルトの変換 http://panflute.p.u-tokyo.ac.jp/~kyo/dose/
<電力の将来>スペインの風力発電、最大の電力源に成長 http://newsfromsw19.seesaa.net/article/195003319.html
流言・デマによるパニックを心配して情報を伏せている方々へ 静岡大学防災総合センター教授 小山真人 http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/etc/riskcom.html
ISEP: 3.11後のエネルギー戦略ペーパー:無計画停電から戦略的エネルギーシフトへ http://www.isep.or.jp/images/press/ISEP_Strategy110404.pdf
日本の加害者化 ーー対岸から火事を眺めて http://newsfromsw19.seesaa.net/article/194703247.html
【福島原発震災(38)】フランスIRSNが海洋汚染のシュミレーション結果を発表 http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2011/04/irsn-b3b6.html
http://sirocco.omp.obs-mip.fr/outils/Symphonie/Produits/Japan/SymphoniePreviJapan.htm
気象庁がIAEAの要請をもとにつくったシミュレーション http://www.jma.go.jp/jma/kokusai/eer_list.html
放射能漏れに対する個人対策(第3版) http://www.irf.se/~yamau/jpn/1103-radiation.html
読み物系ブックマーク
早尾貴紀:緊急、原発震災関連 http://hayao2.at.webry.info/
弱い文明 http://blog.goo.ne.jp/civil_faible/
よこぜログ http://yokoze.cocolog-nifty.com/blog/
ホンマタイムス http://honmaya.exblog.jp/
まとめ:大富亮