いわき市でのデモに参加しました。

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今日のトピックスイベント情報この日記の目的福島第一原子力発電所の状況使用済燃料プールの冷却大気を経由した汚染汚染水・海水を経由した汚染(海洋投棄)地下水を経由した汚染モニタリングデータ署名など、あなたにできるアクション重要情報のブックマーク読み物系ブックマーク

今日のトピックス いわき市でのデモに参加しました。

 おはようございます。

 東電と政府がひた隠しにしている、福島原発事故の実状。とうとう、メルトダウンは事故翌日には起こっていたと判明しました。ずっと、炉心の溶融率は1号機で70%程度、と言ってきたのに、実はすぐに100%壊れていたなんて…。

地震発生16時間後、燃料の大半溶融 福島1号機 東電が推定結果発表 (2011/5/15日経)

 東京電力は15日、福島第1原子力発電所1号機で原子炉圧力容器の底に核燃料棒が溶け落ちる炉心溶融メルトダウン)が、地震発生から約5時間後から始まったとの推定結果を発表した。16時間後の3月12日午前6時50分には大部分の燃料が溶け落ちたとみている。 http://tinyurl.com/3h5gzkn

とか、

激震・福島原発事故「レベル7」(時事)

危機的な状態が続く福島第1原発事故。その深刻度の評価が地震発生からほぼ1カ月たった4月12日、国際原子力事故評価尺度(INES)で最も深刻な事故に当たる「レベル7」に引き上げられた。
http://www.jiji.com/jc/v4?id=f1-level70002

とか、

福島第一原子力発電所はすでに存在していないことが判明

 危機的な状態が続いていた福島第一原子力発電所は、そもそも3月12日の1号機の最初の爆発の時にあとかたもなく吹き飛んで、クレーター状になっていたことが、東京電力などの発表で判明した。発表がまる2カ月以上遅れたことになるが、東京電力原子力安全保安院は「事故直後の原子炉温度や水位の解析に手間取ったため」としている。

 最後のは、うそです。

 それはともかく、政府や東電、メディアの発表は裏があるものと思って読むのがいいと思います。誰しも安心したいし、普段の生活を継続したいに決まっていますが、気休めを求めるのではなく、冷静に事実の情報を探求しましょう。

 このページでは、それに役立つリンクを多数掲載しています。ご利用ください。
*

 さて、昨日は福島県いわき市で行われた、「さよなら原発 放射能汚染のない平和な未来を求めるパレード!」に参加してきました。写真で報告します。だいたい500人くらいの参加でした。

 「ツイッターで見て来ました。友達何人も電話をかけたんだけど、みんな関心があまりなくて、一人で来ました」

 「現役の頃は労組のデモなんかによく参加したけれど、リタイアしてからはほとんど来ていなくて、でも大事なことだと思ったんで、一人で来たんです」

 など、組織的でないデモでした。原初的な感じでよかったです。あとはどんな風に横のつながりを作っていくかですね。

会場の様子。人が集まり始めました。
地方議員のごあいさつ。
素人の乱も参加。
迫力の旗。
参加者のプラカード。
地元のヘビメタさん? かっこいい。
音楽隊。東京から来ている人も多かった?
デモ隊です。被災地だから警察も忙しいのか、警備は10人くらいしか来ていません。長閑。
ユーストの人々
小名浜港にて。
小名浜付近にて。

 最後は深刻な写真でした。地震津波で亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。

 それではまた明日まで、お元気で。

イベント情報

 ぜひ、お近くで開かれる集会やデモにご参加ください。次のサイトにイベント情報があります。

http://newsfromsw19.seesaa.net/article/195072595.html
http://datugeninfo.web.fc2.com/

この日記の目的

 福島第一原発事故に関する情報を、手短にまとめる試みです。不正確な点がありましたら、どうぞメールなどでご指摘下さい。 editor@chechennews.org (情報提供もお受けしています)サイトの内容の引用やリンクはご自由にどうぞ。

福島第一原子力発電所の状況

     1号機 2号機 3号機 4号機
製造 1971年GE製 1974,GE,東芝 1976,東芝 1978,日立
空中写真
主な出来事 3/12 水素爆発(原子炉建屋) 3/15 水素爆発(圧力抑制プール) 3/14 水素爆発(原子炉建屋) 3/15 水素爆発(使用済燃料貯蔵プール)
原子炉 燃料400体。炉心溶融水位0。圧力容器破損。燃料棒がすべて溶けた可能性が高い。上部温度100度。圧力容器の最底部に穴、燃料が格納容器中に落ちている? 格納容器も損傷。 燃料548体。炉心溶融。圧力容器破損。圧力抑制プール破損。真水注入中。 温度急上昇中。燃料548体。炉心溶融。圧力容器破損の疑い。真水注入中 燃料なし
燃料の損傷率* 100% 30% 25% -
使用済燃料プール 使用済燃料292体、新燃料100体。水位、水温不明。 使用済燃料587体、新燃料28体。燃料破損の疑い。水位不明、水温(51度)。注水中 使用済燃料514体、新燃料52体。水位、水温不明。注水中 使用済燃料1331体、新燃料204体(!)。燃料棒の一部が破損。通常の100倍濃度の汚染水あり。水温90度前後。注水中。漏水あり
高濃度汚染水 2万5千トン。タービン建屋地下の汚染水は380万ベクレル/cc。核分裂生成物(死の灰)漏出か。複水器から貯蔵タンクへ移送中。 2万5千トン。取水口付近の汚染水はヨウ素131が210ベクレル/cc(法定限度の5300倍)。核分裂生成物漏出か。複水器から貯蔵タンクへ移送中。 2万2千トン。原子炉建屋地下に深さ5mの汚染水。タービン建屋地下の汚染水は390万ベクレル/cc。核分裂生成物漏出か 原子炉建屋地下で2万トン。濃度も事故後に上昇を続けている。
その他 原子炉建屋内の温度40度、湿度94〜99%の蒸し風呂状態。放射線値不明。人間による内部での作業は極めて困難。 ウランとプルトニウムを混在させたMOX燃料を装荷。制御困難に陥りやすく、拡散した場合に毒性が最も高い。 もっとも多量の核燃料がプールに貯蔵されている。プールが高所にあるために、余震による倒壊が懸念されている。
主な出典
*4/7東電発表値を採用
東京新聞連載「福島第一原発の現状」、NewYorkTimes"Status of the Nuclear Reactors at the Fukushima Daiichi Power Plant"など
空中写真はPhotos of the Day - Fukushima Dai-ichi Aerialsより

 1号機の圧力容器が圧力容器の底に穴。水はすべて汚染水となって流出している。燃料は溶融して、圧力容器の底にたまっているか、外側の格納容器に落ちていると見られる。典型的なチャイナシンドローム。  4号機は地震当時、定期点検中だったため、もともと炉心に燃料がないが、建屋上部の使用済燃料プールには、大量の燃料が格納されている。燃料の崩壊熱を下げるために外部から注水を続けているが、水素爆発のためにプールは破損しており、冷却水が放射能汚染水となって漏出している。また、核分裂の際に発生するヨウ素131が汚染水から検出されていることから、臨界状態が発生しているという意見もある。つまり燃料プールが、原子炉化している可能性がある。  放射性物質の大量の放出が続いている。全体の量は公開されていないようだが、爆発などが起こっておらず、比較的落ち着いていた4月5日の時点でも、一日あたり154兆ベクレルが放出されていたという報道がある。同量が事故発生後24日間放出されていたと仮定すると、3,696兆ベクレルは軽く放出されている。  下表の通り、タービン建屋地下に高濃度の汚染水が流出した事実は、格納容器の破損を意味している。「柏崎刈羽原発の閉鎖を科学者・技術者の会」によれば、圧力容器の底部に溶融した燃料が到達し、底部の制御棒挿入部を壊して、吹き出している可能性が高い。  原子炉にもともと設置されている冷却システムは復旧しなかった。格納容器への注水が即・放射性物質を含む漏水となっている現状を考えると、今後環境に排出される放射性物質の量は相当多くなるであろう。

使用済燃料プールの冷却

 すべて生コン圧送機で注水中。

大気を経由した汚染

参考図

ドイツ気象庁による放射性物質の飛散予想(むこう3日間)。放出源の濃度が分からないため、気候条件のみによる予想です。つまり、この期間のあいだにあり得るベントや爆発によって、放射性物質が放出した場合に、どのように拡散するかをシュミレートしたものなので、この図から直接、危険度を評価することはできません。くわしい説明はこちらを:"with eyes closed." by Kan Yamamoto http://www.witheyesclosed.net/post/4169481471/dwd0329

汚染水・海水を経由した汚染(海洋投棄)

 4月に入り、東電はタービン建屋で見つかった汚染水約1万トンを海洋投棄した。オリンピック規格のプール3杯分にあたる。汚染水のほとんどは、事故後の冷却作業による注水が、炉心と使用済燃料プールを経由して漏出しているため、冷却すればするほど、放出量も増加する。今も建屋に溜まっている水だけで6万トンにのぼる。

[http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819595E0E3E2E2938DE0E3E2E6E0E2E3E39F9FE2E2E2E2:title= また、2号機の取水口付近からの汚染水は、流出総量が推定で520トン、汚染水に含まれる放射性物質の量は4700兆ベクレル(4700テラベクテル)だった。]

「海はごみ捨て場じゃない」全魚連関係者が東電に抗議。http://www.asahi.com/national/update/0406/TKY201104060148.html

 今後、東北地方太平洋側の海洋は、かつてない規模の放射能汚染が続くと思われる。これについては、下記のフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)が作成した図が参考になる。

 「原発はコストの低い電源であり、日本経済を支えている」といった主張は、急速に無意味なものになりつつある。むしろ、原発は極めてコストの高い災害をもたらし、日本経済にトドメを刺そうとしている」と考える段階に来ているのではないだろうか。

 政府と東電は「海水の放射能は拡散することで放射線量が減少するので影響は少ない」としているが、実は拡散した核種をプランクトンが吸い込み、それを魚が食べ・・・という形で、食物連鎖のなかで、蓄積されていく。そして高濃度に汚染された魚介類を、私たちが食べることになる。

 発電所の沖合い30キロの地点でも、ヨウ素131やセシウム137が観測されている。4月13日の厚労省の発表によれば、福島県いわき市沖・福島第一原発から35キロの地点で採取されたコウナゴから、1万2500ベクレル/kgの放射性セシウムを検出した。食品衛生法での暫定基準値の25倍。

 今後は、規制値の変更(緩和)にも注意が必要。

参考:汚染水の拡散予測(フランスIRSNによる)
http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2011/04/irsn-b3b6.html

地下水を経由した汚染

 2号機周辺に設置された井戸から出た地下水の放射能濃度が、ここ1週間で17倍に増加している。ヨウ素131が1ccあたり610ベクレル。(4/15朝日 http://www.asahi.com/national/update/0414/TKY201104140463.html )

 冷温停止中の福島第一原発5、6号機の地下でも、低レベル汚染水をを検出。(4/3)

モニタリングデータ

 首相官邸のサイトより:放射線モニタリングデータ
http://www.kantei.go.jp/saigai/monitoring/index.html

署名など、あなたにできるアクション

福島の子どもたちを被ばくから守るための署名をしてください。【アクション】[第2弾]子ども20ミリシーベルト基準の即時撤回および被ばく量の最小化のための措置を求める緊急要請  オンライン署名フォーム http://e-shift.org/?p=485
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク
http://kofdomofukushima.at.webry.info/
Please SIGN to save children in Japan from radiation
http://fukushima.greenaction-japan.com/archives/41
MSCR (Moms to Save Children From Radiation) (日英語)
http://fukushima.greenaction-japan.com/archives/41

参考文献と、重要情報のブックマーク

原子力資料情報室 http://cnic.jp/
福島原発事故情報共同デスク http://2011shinsai.info/
原発震災への対処> 知識を獲得し、汚染される覚悟を持って、楽天的に! 矢ヶ崎克馬(琉球大学名誉教授) http://newsfromsw19.seesaa.net/article/192524452.html?1305530571
Peace Philosophy Centre http://peacephilosophy.blogspot.com/
福島原発震災」をどう見るか―私たちの見解(その1)http://kk-heisa.com/data/2011-03-23_kkkenkai.pdf (『柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会』)
福島原発震災」をどう見るか―私たちの見解(その2) http://kk-heisa.com/data/2011-04-07_kkkenkai2.pdf (〃)
全国の放射能濃度一覧 http://atmc.jp/
小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章氏の情報発信 http://hiroakikoide.wordpress.com/
参考資料  マニュアルどおりにならない原発事故対応 〜パニックに陥らず、正確な情報で行動しよう http://d.hatena.ne.jp/chechen/20110325/1301023227
「社会情報リテラシー講義:福島原発事故をめぐる「安全」報道を考える」

    1. 第1回 「科学」「安全」「安心」:問題を整理する http://researchmap.jp/jowricset-111/#_111
    2. 第2回 基準と単位を整理する http://researchmap.jp/jo6nkzpvy-111/#_111
    3. 第3回 数値を確認する http://researchmap.jp/jo7wxgftu-111/#_111
    4. 第4回 事後と事前:安心と安全の境 http://researchmap.jp/joge2by5g-111/#_111
    5. 第5回 比べること:安心と安全の境(2) http://researchmap.jp/joxfh3rfa-111/#_111
    6. 第6回 冷静と混乱のあいだ http://researchmap.jp/joq9cru43-111/#_111
    7. 第7回 「安全」の視点から情報と対応を検討する http://researchmap.jp/jo46bzfzc-111/#_111
    8. ベクレルとシーベルトの変換 http://panflute.p.u-tokyo.ac.jp/~kyo/dose/

<電力の将来>スペインの風力発電、最大の電力源に成長 http://newsfromsw19.seesaa.net/article/195003319.html
流言・デマによるパニックを心配して情報を伏せている方々へ 静岡大学防災総合センター教授 小山真人 http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/etc/riskcom.html
ISEP: 3.11後のエネルギー戦略ペーパー:無計画停電から戦略的エネルギーシフトへ http://www.isep.or.jp/images/press/ISEP_Strategy110404.pdf
日本の加害者化 ーー対岸から火事を眺めて http://newsfromsw19.seesaa.net/article/194703247.html
福島原発震災(38)】フランスIRSNが海洋汚染のシュミレーション結果を発表 http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2011/04/irsn-b3b6.html
http://sirocco.omp.obs-mip.fr/outils/Symphonie/Produits/Japan/SymphoniePreviJapan.htm
気象庁IAEAの要請をもとにつくったシミュレーション http://www.jma.go.jp/jma/kokusai/eer_list.html
放射能漏れに対する個人対策(第3版) http://www.irf.se/~yamau/jpn/1103-radiation.html

読み物系ブックマーク

早尾貴紀:緊急、原発震災関連 http://hayao2.at.webry.info/
弱い文明 http://blog.goo.ne.jp/civil_faible/
よこぜログ http://yokoze.cocolog-nifty.com/blog/
ホンマタイムス http://honmaya.exblog.jp/

まとめ:大富亮