2001.4.13 ジュネーブより

南無妙法蓮華経

二〇〇一年四月一三日聖金曜日
ジュネーブ

 お便りありがとうございます。ジュネーブチェチェン平和のための断食に入って二週間を満じようとしています。開始以来何の苦痛も疲労も感ずることなく、体内を春風が吹き抜けるような爽やかさと快適さを覚えています。
 市の警察の正式許可は国連前の座り込みは毎週月曜だけなのですが、これまで朝八時半より六時まで国連正門で、あるいは国連宮殿内に広がるジュネーブ市とレマン湖をみおろし、その前面にアルプスの白峰をみわたす大庭園の大樹の木陰で、第五七次人権委員会の会場の側で御祈念をつづけています。人権委員会は四月二七日までつづけられ、昨日、欧州連合チェチェン特別決議案を提出しました。今日から四日間はキリストの復活祭の休日に入るので、休日明けの来週、水曜の一八日までにロシアとの全会一致による議長声明の文案交渉がまとまらなければ、この決議案の多数決に持ち込まれることになります。ヒューマンライツウォッチが、この決議案提出に際してプレス声明を発表しています。
 小子の断食は、これまでの戦争行為の糾弾のためというより、即時戦闘をやめさせ、平和的解決にむけた対話を開始させるためのチェチェン、ロシア、国際世論の喚起にあります。
 この新しい動きについてはチェチェン政府をはじめ、世界各地のNGO、個人からの賛同声明がよせられています。英文は大富さんに、ロシア文は林さんにEメールで送ります。これまで小子の方からは、英文で断食の声明文、三月二九日国連人権委員会での小子の口頭発言文、断食一週間後のレポートを発送してあります。活用してください。
 チェチェンニュースでは紙面の関係もあるのでしょうが、小子の活動の現状認識、思想理念、国際政治批判がすっぽり欠落して表面的な情報伝達に終わっています。内容的にあまりに表面的な寄せ集めの情報だけでは、あまり意味がないように思われます。コマーシャルメディアでもなく、資金集めでもない情報発信であるならば、もっと一人一人の思想や分析を深めた内容であれば本物になれると思います。市民平和基金チェチェン・キャンペーンが広がりと長続きをしなかった原因も情報内容の中身の低さにあると思います。思想理念の表現を大切にしない日本の情報化の貧しさが、日本全体をして世界に通用しない国柄におとしめているように思います。
 一週間目のレポートにもふれてありますが、世界宗教者のチェチェン平和ミッション「派遣」のため、ロシア側での受け入れの動きがめばえそうです。
 日本での平和的解決をめぐる対話の場を提供する考えについて、広島市、国際フォーラム、日本予防外交センター、ピースウィング、市民平和基金、宇都宮軍縮研究室などで協力を呼びかけたらどうでしょうか。
 ロシア、チェチェン議員、
 ロシア、チェチェン市民団体、
 新しく動きつつあるロシア、チェチェン反戦運動と非暴力運動体を一つのテーブルにあつめて、初歩的なブレーンストーミングをして、次の段階をさぐることが必要です。至急連絡をして呼びかけてみてください。
 広島市の方には林さんと話をしてあります。宇都宮軍縮研究室の樋口さんも協力してくれるかもしれません。
 林さんには、軍縮かどこかに一文草していただきたいものです。
 来週中に小子のロシア語での法語集『不戦非武装の新世紀』が出版されます。五百ページの大部になりました。Eメールで全内容をご覧になれます、林さんと高橋さんに検索の仕方をEメールで送ります。どこか日本でも翻訳出版できるでしょうか。
 ご支援心から感謝申し上げます。

合掌
寺沢潤世