チェチェン:迫りくる食料危機

欧州委員会人道援助局(ECHO)が、チェチェンで進行中の食糧危機に警鐘を鳴らしています。チェチェンでは、過去25年間で最も寒い冬となった昨年の11月から今年の3月までの5ヶ月間、国連世界食糧計画(WFP)による援助が完全に停止していました。理由は単純。ロシア政府が、WFP経由で援助された大量の小麦を、「鉄分が多すぎて健康に悪い」という難癖をつけて、いっさいチェチェンに送ろうとしなかったのです。「鉄分が多すぎて健康に悪い」小麦は、数ヵ月間続いた不毛な交渉の末、結局アフガニスタンに送られていきました。
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この冬に再び食糧援助が凍結された場合、チェチェンでは25万人が飢えに直面する恐れがあります。現在でも、WFPがチェチェンで行っている支援は、月にわずか二回の配給にすぎません。チェチェンでは最近結核が流行っていて、医師たちは栄養失調や慢性的なストレス、失業、深まる貧困が原因であると指摘しています。子どもたちの70%が結核に冒されているという統計もあります。

チェチェンの医療危機については、16日から来日するハッサン・バイエフ医師が最新事情を報告します。ご都合のつく方は各地のイベントにぜひご参加ください。