チェチェン映画紹介 ロシア社会注視続ける

2007年9月1日 朝日新聞 夕刊

 ロシアからの独立をめぐって紛争が続くチェチェン共和国で、民族舞踏に打ち込む子供たちと指導者に密着したオランダの映画「踊れ、グローズヌイ!」が全国各地で上映されている。日本語の字幕作りに協力した東京シネマ新社の社長、岡田一男さん(64)は「テロという色眼鏡で見られがちなチェチェン人の真実の姿を描いている」と作品を評価する。

 ソ連の映画関係者と親しかった父親の影響で61年から5年間、全ソ国立映画大に留学。帰国後、父親から同社の経営を引き継ぎ、科学系映像の制作を手がけるが、ロシアの社会問題に関心を持ち続けている。

 「多くの友人が暮らすロシアの民主主義に無関心ではいられない」。今は、ロシア元情報将校毒殺事件の映画を国内で上映しようと準備中だ。(関根和弘)