アレクサンドル・コピロフ記者の強制送還に反対の声を

 カナダのトロントで難民申請中のロシア人ジャーナリスト、アレクサンドル・コピロフ氏が、1月23日(水)にもロシアに強制送還されようとしています。コピロフ記者は、プーチン政権を直接的に批判し、多くの政治活動に参加してきたため、ロシアに強制送還されれば、ほぼ確実に人権侵害にさらされ、最悪の場合は暗殺される危険性もあります。

 以下に、トロントの執行当局に、コピロフ記者の強制送還の停止を求めるオンライン署名があります。下の"Click Here to Sign Petition"というボタンを押して、"Name"(名前)と"Email Address"(メールアドレス)を入れて、"Preview Your Signature"(署名を確認する)→"Approve Signature"(署名を送る)というボタンを押してください。

 http://www.petitiononline.com/kopylov/petition.html

 署名自体は30秒もかかりません。どうかみなさまのご協力をお願いします。署名の内容(日本語訳)はこちら:

アレクサンドル・コピロフ記者の強制送還に反対の声を

トロント執行当局御中

Enforcement Officer
Greater Toronto Enforcement Officer
6900 Airport Road, Entrance "2B"
Mississauga, L4V 1E8
CANADA

Tel: 905.405.3500
Fax: 905.405.3533

2008年1月15日

執行官殿
緊急要請:アレクサンドル・コピロフ氏の強制送還を停止してください
Client ID: 4457-0902

 アレクサンドル・コピロフ氏を2008年1月23日に強制送還すると執行官殿が決定したことについて、深い懸念と憤りを覚えています。

 ご存知の通り、コピロフ氏は、[ロシアのプーチン]政権を率直に批判してきた独立系のロシア人ジャーナリストです。彼は、人権と民主主義の熱心な代弁者であり、ロシアとカナダのメディアで広く取り上げられてきました。コピロフ氏は、300人の子どもが犠牲になった(ロシア・北オセチア共和国の)ベスランでの軍事作戦を報道したことで、ロシアに留まるリスクが高まり、やむを得ず亡命をしました。コピロフ氏をロシアに強制送還すれば、彼の命は重大な危険にさらされ、難民を保護してきたカナダの伝統もひどく傷つくことになるでしょう。

 1951年の難民条約の加盟国であり、1967年の「難民の地位に関する議定書」の採択国として、カナダには「迫害の恐れや、拷問あるいは冷酷かつ非道な扱い、罰を受ける恐れのある人々を保護し、本国に強制送還しないようにとりはかる」義務があります(CICウェブサイトより)。カナダがこうした義務を遵守するよう強く要請します。コピロフ氏を強制送還すれば、カナダの憲法が謳っている人権上の義務が果たされなくなってしまいます。

 コピロフ氏は、カナダに亡命して以来、プーチン政権による暴力の行使を、積極的にブログで批判してきました。彼は、グローバルTV[カナダの番組]に出演して、現在のロシア政府を批判しました。これによって、コピロフ氏がロシアに強制送還された場合、命の危険にさらされる可能性が一気に高まりました。2000年以降、プーチン政権は、抑圧的な体制を批判し続けてきた60人以上の反体制派ジャーナリストの暗殺に関与しています(ジャーナリスト保護委員会および情報開示擁護基金による)。

 難民申請者の境遇にありながら、コピロフ氏は、カナダの市民・文化生活に多大な貢献をしてくれています。彼は、モントリオールのロシア共同体の選挙で創設されたRussian Humanitarian House―非営利団体が運営する多民族コミュニティ―の代表で、文化的・人道的活動を行ってきました。

 コピロフ氏は、約一年にわたって断続的に収容され、ロシアへの強制送還に必要な事前の同意を求められてきました。カナダ市民権移民省は、彼の生命を危険にさらすことへの同意を強制するために、拷問の一手法として、彼を収容してきたのです。これは、カナダにおける刑務所の濫用であり、カナダの憲法と世界人権宣言を始めとする多くの国際法と、カナダが加盟している人権条約が保障する人権の侵害に当たります。

 アレクサンドル・コピロフ氏の強制送還を即座に取り消し、連邦裁判所で係争中の二度目の異議申し立ての司法審査を続けてくださるよう、強く要求します。

 どうぞよろしくお願いいたします。