ノーヴァヤ・ガゼータ、サンクトペテルブルグで配布停止に!

[もう一つのロシア 1/14]
原文:http://www.theotherrussia.org/2008/01/15/newsstands-to-stop-carrying-novaya-gazeta-in-st-petersburg/

 2008年1月から、ロシアで最も著名な独立系新聞「ノーヴァヤ・ガゼータ」のサンクトペテルブルグ支部では、レニングラード州での新聞が配布停止になる。

 ノーヴァヤ・ガゼータ編集部によると、レニングラード州で最も大手の新聞販売店―LenoblpechatとNevoblpechat―がノーヴァヤ・ガゼータの配布を断ってきたという。理由は、ノーヴァヤ・ガゼータがますます「売れなくなってきている」ことだという。けれども、地元の読者が編集部に語ったところによると、ノーヴァヤ・ガゼータは、もともと販売スペースから撤去されており、いつキオスクに行っても見つからないことが多い。
 一方で、Fontanka.ruによると、ノーヴァヤ・ガゼータの記者の一人は、「不同意者の行進」*1を取材したために、500ルーブル(13.91ユーロまたは20.46ドル)の罰金を課された。罪状は、当局の命令に従わなかったことである。

 レニングラード州で圧力を受けた出版物はノーヴァヤ・ガゼータが最初の例というわけではない。こうした動きは、レニングラード州知事のヴァレリ・セルデュコフが、政権に批判的なマスメディアからの情報を遮断するために取っている戦略であると見る専門家もいる。

 ノーヴァヤ・ガゼータは、サマラ市支部でも、上からのさらに激しい圧力を受けて、2007年の下半期に配布が停止した。会社のコンピュータは何度も押収され、毎日のように記者が拘束されている。さらに、セルゲイ・クルト・アジエフ編集長に対する刑事捜査も始まった。印刷会社などノーヴァヤ・ガゼータのパートナー企業のもとにも、軍人が訪ねてきては脅しをかけている。

 ノーヴァヤ・ガゼータの抱える問題は、Glasnost Defense Foundation(情報公開保護財団)による報告―今日のロシアでジャーナリストとメディアが直面している困難と危険に関する報告―を裏づけるものである。

*1:「もう一つのロシア」が2007年4月14日にモスクワで主催した反体制デモ。プーチン政権は、治安部隊約7000人を出動させて、約3000人の参加者を実力で排除し、ガルリ・カスパロフら約170人を逮捕した。