ハンクネット関東地区例会 「現代朝鮮の理解 政治と社会」

侮蔑と偏見まみれの北朝鮮報道にうんざりしていませんか。日朝関係改善に取り組まず、軍拡路線を突き進む日本政府に苛立ちを感じていませんか。

北朝鮮人道支援ネットワーク・ジャパン(ハンクネット)では、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)に対する日本のマスコミや政府の攻撃的な姿勢を批判し、人道支援による交流や市民生活の映像の公開を通じて、日本人や在日韓国・朝鮮人が朝鮮の人々の姿を正しく捉える為の活動を行ってきました。

しかし映像や交流による情報はやはり皮相的になりがちです。今私達に足りないのは、相手を客観的に知る事。そう考えて、まずは韓国の「北韓」研究入門書を皆で読む事にしました。客観的な視座が韓国の運動圏でも高く評価されているリ=ジョンソク著「新版 現代北韓の理解」歴史批評社刊を月一回読んでいきます。朝鮮語ができる方、勉強中の方は勿論、できない方も歓迎です。毎回テーマは独立しているので、前回参加されていない方でも充分理解できます。

日時場所

  • 第四回:4月28日(月)18時30分〜21時

大阪経法大学東京麻布台セミナーハウス 4階小会議室
東京都港区麻布台1丁目11-5 03-3582-2922
地下鉄日比谷線 神谷町下車(E1出口)を出て左へ徒歩3分
案内図↓
http://easyurl.jp/59s

参加費

コピー費実費程度

教科書

「新版 現代北韓の理解」イ=ジュンソク著 歴史批評社 2004年
http://www.yukbi.com/modules/bbs/index.php?code=book_1&mode=view&id=58
※一冊手元にあります。発表を引き受けて頂ける方に優先してお分けします。

第三回:第一部第四章「脱冷戦時代の北韓研究動向」
第四回:未定

対象者

 ※ハンクネットの趣旨に賛同される方。朝鮮語の能力は問いません。

予約・問い合わせ

北朝鮮人道支援ネットワーク・ジャパン(ハンクネット・ジャパン)

http://www.hanknet-japan.org
contact@hanknet-japan.org
TEL:042-379-7790(上野)

参考:テキスト序文(抜粋)

筆者はこの間北韓研究を進めながら、北韓を正しく知るためには何よりも自分たちが持っている先入観を捨て、「あるがままの北韓」を見る必要があるという事実を痛感していた。先験的に与えられた基準をもって北韓を見ている限りは、まともに知りようがない。北韓の変化についても全く同じだ。特別な基準をもって北韓の変化様相を判断するのならば、たとえ北韓が特別経済地域をつくったり開放の兆しを見せたりしたとしても、北韓の変化はあり得ないと考えてしまう。だがこういった問題は北韓の歴史や現実について時系列的かつ構造的な分析によって結論せねばならなず、独断的な基準で判断できるものではない。実際、90年代を風靡した「北韓崩壊説」や長い伝統のある「金日成偽者説」などはみな、こうした先入観を捨てられないがための副作用だと言えよう。

「あるがままの北韓」を知るためには、北韓の公式文献が見せる規範と現実の差異を認識する能力が欠かせない。正しい「北韓の読み解き方」が必要なのである。北韓の主張が北韓社会の実態を正しく表していると見るのは、大きな過ちである。「人民大衆中心の我々式社会主義」なり「自立的民族経済建設路線」という言葉の裏に、受け身に置かれている北韓人民の姿や、外部資源なくしては生存自体が困難な現実を読み取らなければならない。

それでは本書の研究対象である北韓とは、我々の何であろうか。実際我々はいつも「北韓をどのように見るべきか」という問題に突き当たっている。北韓は我々の敵なのか、兄弟なのか。そう、敵でもあり、兄弟でもあるのだ。そこでここでは北韓を「敵対的な兄弟」と規定する。即ち北韓南韓を敵と規定しており、両者は実際に敵対関係にあり、我々南韓を破壊する充分な軍事力を有しているという点では、間違いなく軍事上の「敵」である。だがその一方で、統一共同体を実現するため、手に手を取り合うべき兄弟であることも間違いない。敵であるという「現実」と手に手を取り合うべきという「当為」が現在の北韓の中に共存しているのである。このような二重の現実認識が避けられない状況下で我々に求められているのは、北韓の敵対性を減じつつ、同伴者としての共存関係を導き出そうとする知恵と努力なのである。これが本書の下敷きとなっている筆者の北韓認識である。