今後1ヶ月以内にも、大地震の可能性
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今日のトピックス/この日記の目的/福島第一原子力発電所の状況/使用済燃料プールの冷却/タービン建屋の汚染水/大気を経由した汚染/海水を経由した汚染(海洋投棄)/地下水を経由した汚染/モニタリングデータ/計画停電は何のため?/イベント情報/重要情報のブックマーク
今日のトピックス 今後1ヶ月以内にも、大地震の可能性
こんにちは。
12日になってからの「レベル7」にはびっくりしました。実際にはほとんどの放射能は3月中旬には出ていたわけで、今レベルを上げたのは、怠慢以外の何ものでもありません。「ロンドンSW19から」では、こう訴えています。
福島第一の原発事故は、4月12日に「レベル7」になったわけではない。
事故発生後まもなく「レベル7」になっていて、
すっとそうだったと4月12日に認めただけだ。そんなこと、知ってたよ。
そうでなきゃ、フランスもイギリスもアメリカも
自国民を退避させたりしないもの。
(危機管理はワーストケース・シナリオの把握からが原則)
知ってたからあせっていたんじゃないか。
言っても信じてくれないし。
http://newsfromsw19.seesaa.net/article/195597745.html?1302655140
そして、大きな余震の可能性もあり、予断を許しません。今日、読売新聞で目についた小さな記事を紹介します。
震源域東側でM8級、早ければ1か月内…専門家(4月14日 読売新聞)
東日本大震災の震源域の東側で、マグニチュード(M)8級の巨大地震が発生する可能性が高いとして、複数の研究機関が分析を進めている。
日本海溝の東側で海のプレート(岩板)が引っ張られる力が強くなっているためで、早ければ1か月以内に津波を伴う地震が再来する危険がある。
M9.0の東日本大震災は、押し合っていた海のプレートと陸のプレートの境界面が破壊されて起きた。そのため周辺の地殻にかかる力が変化し、東日本全体で地震が誘発されている。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110414-OYT1T00112.htm
政府が「いつ起こってもおかしくない」と発表している東海地震も、刻々近づいています。これまでもたくさんの地震を経験してきましたが、3/11以降の東日本は、異常に多い地震に襲われています。
そんな中、日本中の老朽原発や、活断層上にある浜岡原発、すでにコントロールできなくなっている増殖炉「もんじゅ」が破壊されたら……。自然は常に人を裏切るということを、肝に銘じたいと思います(そもそも、制御したり、予測できると考える方が傲慢なのでしょう)。
子どもや妊婦の方は、少しでも福島から遠い地域へ、自主的に疎開することをおすすめします。週末の3日間でもかまいません。頼れる親戚や知人がいる方は、検討してみてください。これは、万一、さらなる事故が起こったばあいに備えるとともに、空気、水、食物から、少しでも放射能を体内に取り込まないための対策として。
観光地の旅館なども空いていますから、西日本への旅行は、今がチャンスです。ビジネス・旅行客が軒並減っている空路・新幹線を活用するのは、「パニック」でも何でもありません。そして何事もなければ、「よかった」と言って帰ってきましょう。完全な対策とは言い難いのですが、リスクの軽減にはなります。
それではまた明日まで、お元気で。
この日記の目的
福島第一原発事故に関する情報を、手短にまとめる試みです。不正確な点がありましたら、どうぞメールなどでご指摘下さい。 editor@chechennews.org (情報提供もお受けしています)
サイトの内容の引用やリンクはご自由にどうぞ。
福島第一原子力発電所の状況
1号機の炉心の7割以上が損壊しており、燃料の被覆管のジルコニウムなどから大量の水素が発生、水素爆発の危機が迫っている。
さらに危険なのは、圧力容器内で溶融した炉心が水と接触して発生する水蒸気爆発である。そして、原子炉内部での再臨界の可能性も有識者から指摘され始めた。福島原発の危機的状況は、なお拡大している。
下表の通り、タービン建屋地下に高濃度の汚染水が流出した事実は、格納容器の破損を意味している。「柏崎刈羽原発の閉鎖を科学者・技術者の会」によれば、圧力容器の底部に溶融した燃料が到達し、底部の制御棒挿入部を壊して、吹き出している可能性が高い。
「低レベル汚染水の放出」と呼ばれる、事前予告のない放射性物質の海洋投棄が続き、世界的な問題になりつつある。すでに中国、韓国、ロシアの政府とメディアからは批判が続出しており、大気へのベントも含めると、風下の北米圏からの批判が強まるのも時間の問題。
原子炉にもともと設置されている冷却システムが復旧する可能性は極めて低い。格納容器への注水が即・放射性物質を含む漏水となっている現状を考えると、今後環境に排出される放射性物質の量は相当多くなるであろう。
1号機 | 2号機 | 3号機 | 4号機 | |
製造 | 1971年GE製 | 1974,GE,東芝 | 1976,東芝 | 1978,日立 |
空中写真 | ||||
主な出来事 | 3/12 水素爆発(原子炉建屋) | 3/15 水素爆発(圧力抑制プール) | 3/14 水素爆発(原子炉建屋) | 3/15 水素爆発(使用済燃料貯蔵プール) |
原子炉 | 燃料400体。炉心溶融。圧力容器破損の疑い。温度低下、ノズル部で260度(上昇)。圧力容器への真水注入を中断、水素爆発防止のため窒素注入 | 燃料548体。炉心溶融。圧力容器破損。圧力抑制プール破損。真水注入中(!)。 | 燃料548体。炉心溶融。圧力容器破損の疑い。真水注入中 | 燃料なし |
燃料の損傷率* | 70% | 30% | 25% | - |
使用済燃料プール | 燃料292体。水位、水温不明。注水中断 | 燃料587体。水位不明、水温(51度)。注水中 | 燃料514体。水位、水温不明。注水中 | 燃料1331体(!)。燃料棒の一部が破損。通常の100倍濃度の放射能汚染水あり。水温90度前後。注水中 |
高濃度汚染水 | タービン建屋地下の汚染水は380万ベクレル/cc。核分裂生成物(死の灰)漏出か。複水器から貯蔵タンクへ移送中。 | 取水口付近の汚染水は1sv/h強の汚染(10分ほど急性障害が生じる)。核分裂生成物漏出か。複水器から貯蔵タンクへ移送中。 | タービン建屋地下の汚染水は390万ベクレル/cc。核分裂生成物漏出か | |
その他 | ウランとプルトニウムを混在させたMOX燃料を装荷。制御困難に陥りやすく、拡散した場合に毒性が最も高い。 | |||
主な出典 | *4/7東電発表値を採用 東京新聞連載「福島第一原発の現状」、NewYorkTimes"Status of the Nuclear Reactors at the Fukushima Daiichi Power Plant"など 空中写真はPhotos of the Day - Fukushima Dai-ichi Aerialsより |
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使用済燃料プールの冷却
すべて生コン圧送機で注水中。1、3、4号機の温度、水位不明。2号機の温度は不安定。(4/1:58度 4/1:72度 4/2:61度 4/3:50度 4/5:71度 4/6:68度 4/7:51度)
高濃度汚染水
タービン建屋で見つかった汚染水を、4/4から東電が海水に投棄し始めた。この汚染水のほとんどは、事故後の冷却作業による注水が、原子炉と使用済燃料プールを経由して漏出しているため、冷却すればするほど、放出量も増加する。建屋に溜まっている水だけで6万トンにのぼる。(下の「海水を経由した汚染」の項も参照ください)
亀裂からの汚染水の流出を止めるための「水ガラス(ケイ酸ナトリウム)」が話題になっているが、全体の状況を考えれば、一部の亀裂を塞いでも、別の場所から漏出するようになるだけだろう。
大気を経由した汚染
参考図
ドイツ気象庁による放射性物質の飛散予想(むこう3日間)。放出源の濃度が分からないため、気候条件のみによる予想です。つまり、この期間のあいだにあり得るベントや爆発によって、放射性物質が放出した場合に、どのように拡散するかをシュミレートしたものなので、この図から直接、危険度を評価することはできません。くわしい説明はこちらを:"with eyes closed." by Kan Yamamoto http://www.witheyesclosed.net/post/4169481471/dwd0329
海水を経由した汚染(海洋投棄)
「海はごみ捨て場じゃない」全魚連関係者が東電に抗議。http://www.asahi.com/national/update/0406/TKY201104060148.html
福島第一原発では、4月14日までに、約一万トンの汚染水が海洋投棄された。
今後、東北地方太平洋側の海洋は、かつてない規模の放射能汚染が続くと思われる。これについては、下記のフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)が作成した図が参考になる。
「原発はコストの低い電源であり、日本経済を支えている」といった主張は、急速に無意味なものになりつつある。むしろ、「原発は極めてコストの高い災害をもたらし、日本経済にトドメを刺そうとしている」と考える段階に来ているのではないだろうか。
政府と東電は「海水の放射能は拡散することで放射線量が減少するので影響は少ない」としているが、実は拡散した核種をプランクトンが吸い込み、それを魚が食べ・・・という形で、食物連鎖のなかで、蓄積されていく。そして高濃度に汚染された魚介類を、私たちが食べることになる。
今後は、規制値の変更(緩和)にも注意が必要。
参考:汚染水の拡散予測(フランスIRSNによる)
http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2011/04/irsn-b3b6.html
モニタリングデータ
首相官邸のサイトより:放射線モニタリングデータ
http://www.kantei.go.jp/saigai/monitoring/index.html
計画停電は何のため?
今月で計画停電が終了の見込みなので、この項目は過去ログに入れました。
http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20110407/1302151867#keikakuteiden
東電管内で唯一稼働中の柏崎原発の総出力が491万kwですから、もしこれを停止させても、停電は必要ないことになります。原発は必要ありません。
イベント情報
ぜひ、ご参加下さい。
4月16日(土)
●大阪「緊急4.16原発いらん!関西行動」
http://chikyuza.net/n/archives/8262
4月17日(日)
●京都 原発もうムリ!4.17鴨川・大風呂敷
4月17日(日)午前11時〜日没(その後、人がいるかぎりずっと)
京都・三条河川敷にて http://genpatsumoumuri.seesaa.net/
4月24日(日)
●東京 くり返すな!原発震災 つくろう!脱原発社会 集会とデモ
http://www.peace-forum.com/gensuikin/katsudou/110424yotei.html●広島「原発なしで暮らしたい100万人アクション in ヒロシマ」
http://blogs.yahoo.co.jp/mxx941/3510988.html
参考文献と、重要情報のブックマーク
原子力資料情報室 http://cnic.jp/
「福島原発震災」をどう見るか―私たちの見解(その1)http://kk-heisa.com/data/2011-03-23_kkkenkai.pdf (『柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会』)
「福島原発震災」をどう見るか―私たちの見解(その2) http://kk-heisa.com/data/2011-04-07_kkkenkai2.pdf (〃)
全国の放射能濃度一覧 http://atmc.jp/
小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章氏の情報発信 http://hiroakikoide.wordpress.com/
「社会情報リテラシー講義:福島原発事故をめぐる「安全」報道を考える」
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- 第1回 「科学」「安全」「安心」:問題を整理する http://researchmap.jp/jowricset-111/#_111
- 第2回 基準と単位を整理する http://researchmap.jp/jo6nkzpvy-111/#_111
- ベクレルとシーベルトの変換 http://panflute.p.u-tokyo.ac.jp/~kyo/dose/
<電力の将来>スペインの風力発電、最大の電力源に成長 http://newsfromsw19.seesaa.net/article/195003319.html
流言・デマによるパニックを心配して情報を伏せている方々へ 静岡大学防災総合センター教授 小山真人 http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/etc/riskcom.html
ISEP: 3.11後のエネルギー戦略ペーパー:無計画停電から戦略的エネルギーシフトへ http://www.isep.or.jp/images/press/ISEP_Strategy110404.pdf
日本の加害者化 ーー対岸から火事を眺めて http://newsfromsw19.seesaa.net/article/194703247.html
【福島原発震災(38)】フランスIRSNが海洋汚染のシュミレーション結果を発表 http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2011/04/irsn-b3b6.html
http://sirocco.omp.obs-mip.fr/outils/Symphonie/Produits/Japan/SymphoniePreviJapan.htm
気象庁がIAEAの要請をもとにつくったシミュレーション http://www.jma.go.jp/jma/kokusai/eer_list.html
放射能漏れに対する個人対策(第3版) http://www.irf.se/~yamau/jpn/1103-radiation.html
(以上のまとめ:大富亮)