東電についてのメモ

 雑誌『東洋経済』2011.4.23日付け「特集:東京電力─迷走する巨大企業の正体」からのメモ。

 2011年度原子力関連予算額 
 内閣府:17億円(原子力委員会原子力安全委員会
 経済産業省:1898億円(原子力業界の監督官庁
 文部科学省:2571億円(研究開発の中心)

 90年代以降、バブル崩壊とともに国内電力需要頭打ち。産業界は電気料金引き下げを要求。95年以降段階的に規制緩和。2000年の電力小売部分的自由化以降、01年、02年度にマイナス2%(50〜60億kw)成長。ただし単価の高い家庭用は従来どおり規制下に。オール電化の推進により03年〜09年で100億kw成長。

 東電は電力10社の中でダントツの存在だった。2009年の販売電力量は2,8016,700万kw、原発発電機数17基、売上高5兆163億円、営業利益2,844億円、ほとんどの項目が2位の関西電力のほぼ2倍以上。

 以下は最近の報道から

2011年11月4日 ... [東京 4日 ロイター] 東京電力<9501.T>は4日、2012年3月期の連結当期損益が 6000億円の赤字になるとの見通しを発表した。

関西電力:赤字1000億円超 3月期最終 - 毎日jp(毎日新聞) 
1000億円超の赤字見通し。過去最悪の赤字。原発稼働率の見込み、80%から実績35%に。関電の計算では、原発稼働率の1ポイント低下で、火力の燃料追加調達費が66億円。節電要請による販売電力量の低下も収益下げる。

 関電の場合、原発を止めて節電を要求することで、大赤字。東電はこれに加えて賠償もある。原発がなければ大赤字が出る構造は、消費者が選んだのではなく、電力会社が作り上げたもの。その責任が、電気料金の値上げの形で家庭用の消費者に転嫁されている。産業用の大口の使用者は、現状でも高い東電の電気など使わず、とっくに他の業者から買っている。今後東電に残るのは、家庭用だけ。したがって、消費者からどれだけ吸い上げるかが課題。それだけが東電の命綱だから。