法制度確立の動き

ootomi2005-06-07


 チェチェンとロシアの間にはハサブユルト合意相互関係に関する条約があるが、ロシア側はいったん調印しながら、今はなかったふりをしている。そして新しい「権限分割条約」を準備中だ。インターファックス通信によると、傀儡政権の大統領アルハノフは、「条約を準備する集中的な作業はほぼ終わった」と語っている*1。アルハノフが民主的な選挙を経ずに大統領に就任し、その上ロシアと条約を結ぼうとしているという経過は忘れないようにしたい。

ところで、中身が公表されないことにはわからないのだが、権限分割条約は、当然、親ロシア派の憲法と整合性を保つはずなので、チェチェンをロシアの一部として扱うものになるだろう。その一方で、「相互関係に関する条約」はチェチェンとロシアをほぼ対等の位置に置いているので、これが明確に破棄されない場合には、「相互関係に関する条約」の下に「権限分割条約」が位置することになるので、とても奇妙だ。そうかといってロシア側としては独立派と結んだ「相互関係に関する条約」の破棄を大声で言うわけにもいかないし・・・。まともな外務省があれば、さすがに一方的な破棄はしないものと信じたい。大統領自ら調印した条約を、相手を抹殺したあとで国際社会にむかって「破棄しました」では、恥だし、理屈の上では、どの国と条約を結んでも信用されなくなる。

・・・と、ややこしい話をしてしまったが、その次の日程としては、親ロシア派の「議会選挙」が近づいている。モスクワニュース*2によると、11月の中・下旬には行われるようで、アルハノフは「選挙の実施はチェチェンの地位決定の最終段階だ。民主的にやっていきますよ」という意味の事を言っている。独立派も妨害を受けずに選挙に参加できたら民主的だね。