チェチェン独立派、欧州評議会を強く非難

ootomi2005-06-23


(独立派のサイト「カフカス・センター」に掲載されたチェチェン政府声明。よくわからない部分もありますが、基調となっている認識は無理のないものと思います。(CN編集))

チェチェン共和国イチケリア政府(独立派)から、欧州評議会および欧州評議会議員総会へのメッセージ:

ロシアとチェチェンの二度目の戦争が始まって、もう6年が過ぎようとしている。この戦争は、ロシア連邦チェチェン国民に対して行っている、近代ヨーロッパの歴史上もっとも残忍な戦争である。

国際社会が、経済協力の名のもとに、クレムリン帝国主義的な野望を満たすための屠殺行為を放置しているために、100万人強のチェチェン共和国イチケリアの人々は、壊滅的な犠牲を強いられている。

少なくとも、4万5千人の子どもたちを含む、人口の25%が、1994年の秋以降に殺害された。今も9万人の人々が誘拐され、行方不明になっている。全人口の半分は、肉体的な、あるいは精神的な暴力を、選別/強制収容所で経験した。人口の30%が難民となった。言うまでもなく、共和国のインフラストラクチャーエリツィンプーチンが配備したテロリストたちによって崩壊させられている。

われわれがもっとも憂慮しているのは、ロシア−チェチェン戦争が、毎年悪化していることだ。クレムリンのテロによる新しい犠牲者は日々増加している。人々はチェチェンの自由を求め、太古の昔から自分たちに与えられた土地に住んでいるにもかかわらず。独立国家・チェチェン共和国イチケリアの領土は、近代的な技術と兵器に支えられたロシアの匪賊たちに占拠されており、いま、空前の無法と暴力が満ちている。国際的な義務である人権と民族の権利をすべて侵害して−ロシアは欧州評議会に加盟して義務を負ったにもかかわらず−モスクワはチェチェン人に対する民族虐殺を続けている。

政治的動機に基づく人質作戦は、そのほとんどが、「掃討作戦(浄化作戦)」のあとに起こる。それは、強制収容、拷問虐待(生殖機能を奪うための、男性器の去勢を含む)、裁判なき処刑、売買と移植のための臓器の取り外しなどからなる。これらは今日のチェチェンでは、とてもありふれたことだ。

多数の秘密の遺体遺棄場所が、ロシアが侵略し、支配する、この領土の全域に分布している−拷問部隊の犠牲者たち、違法処刑の犠牲者たちは、ファシストの拷問部隊、プーチンの「死の部隊」によるものだ。多くの独立系の人権団体とわれわれの調査では、200箇所もの遺体遺棄場所が見つかっている。これはモスクワによる傀儡政権によってさえも報告されていることだ。

ヨーロッパ諸国の政府による、チェチェン難民に対する差別も横行している。悪名高い「ダブリン合意」は、ヨーロッパのチェチェン難民に対する掃討作戦といえるものだ。武装した警官たちが、小さな子どものいる家族を逮捕し、ポーランドのキャンプに追い込む。そこは、まともな生活のできるような場所ではない。

欧州評議会の加盟国ロシアが関与する、こうした、恣意的な行為を背景として、評議会の議員総会はモラルに欠けた???

PACEが行おうとしている、ロシア−チェチェン戦争の偽りの解決には、シニシズムが顕著に現れている。たとえば、スイスの議員アンドレアス・グロスがPACEの名のもとに推進している「円卓会議」と呼ばれものは、チェチェン共和国イチケリアの、民主的に選挙された大統領アスランマスハドフに対してロシア特殊部隊が行った野蛮な殺害を背景にして進められている。マスハドフが公式に、軍事行動の停止を命じ、ロシア側に交渉を呼びかけたあとに、この世紀の犯罪が犯されたのだ。そればかりか、PACEの指導者たちは、基本的人権の尊重という原則を明らかに無視した、クレムリンマスハドフ殺害というテロリズムに対する法的な指摘さえ、怠った。

欧州評議会と議員総会は、チェチェンの新しい大統領であるアブドゥルハリム−サドゥラーエフによる、呼びかけと声明を無視した。それはヨーロッパの諸機関が、イチケリアに対する政策を変更することを要求していた。それは、ロシア−チェチェン戦争の解決において、ロシアとの協力関係への依存をやめること、チェチェン問題の重要度を現在より高めることである。

こうしたいきさつをへて、チェチェン共和国イチケリアの政府及び議会は、PACEとの今後の協力関係には重大な問題があると考える。少なくとも、欧州評議会とPACEが、国際法に基づいた、自由と基本的人権の尊重という目的を確認し、その努力をしようとしない限りは。

そして、チェチェン共和国イチケリア政府および議会は、欧州評議会とPACEに対して、次のように提案する。

  1. 民主的に選挙された、チェチェン共和国イチケリアのアスランマスハドフ大統領に対する野蛮な暗殺に対して批判すること。その遺体を、埋葬のために家族に返還することを、ロシア指導部に対して要求すること。
  1. PACEのチェチェン問題担当者とされているアンドレアス・グロスの進める「円卓会議」なるものが、無益であり、間違いに満ちたものであることを確認すること。
  1. 一部のPACEメンバーが、ロシア連邦の圧力によって進めようとしている、チェチェンにおける犯罪的傀儡政権の承認を批判すること。
  1. ロシア指導部が、チェチェンの人々に押し付けようとしている、新たな政治的誤謬であるところの、チェチェン「議会選挙」を批判すること。この虐殺的な戦争が続いている状況下で、人々が彼らの意思を自由に表明できる可能性は存在しない。これは、恥知らずな、民主的手続きの偽造であり、民主主義の原則に対する最悪の侵害である。
  1. すみやかに、2004年2月6日に、欧州議会欧州議会に提起した決議、特にパラグラフ14を実行に移すこと。
  1. ロシア連邦チェチェン共和国イチケリアの間の軍事的・政治的紛争の平和的解決のための努力を強化すること。これを、ロシアとチェチェンの指導部の現実の対話を通して行うことが、北コーカサスの平和確立につながることを認識すること。
  1. チェチェン難民に対する、欧州諸国による人権侵害を批判し、民主主義の原則に反する、非人間的なダブリン合意を廃止すること。

チェチェン共和国イチケリア政府・議会>

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Source: Kavkaz-Tsentr news agency website, in Russian 20 Jun 05
BBC Monitoring

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Original in Russian:
http://kavkaz.org.uk/russ/content/2005/06/20/35298.shtml