武装解除、カディーロフ勢力の弱体化 (1)
ロシア政府がチェチェン独立派に降伏を呼びかけてから1ヶ月。政府は投降した独立派戦闘員に対する「恩赦」を宣言し、すでに80名以上の戦闘員が投降していると言われているが、その実態はどうなっているのだろうか。チェチェン、イングーシ、ダゲスタンの現地取材を行ったロシア人ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤが報告する。
2006年8月14日、ノーヴァヤ・ガゼータ/アンナ・ポリトコフスカヤ
http://2006.novayagazeta.ru/nomer/2006/61n/n61n-s16.shtml
恩赦はたいそう素晴らしいものである――何もないよりマシという意味で。けれども、2006年の武装解除は北コーカサスでどのように進んでいるのだろうか?(公式には約80人と伝えられている)人々は、なぜ降伏したのだろうか?そして降伏したのは誰なのだろうか?武装解除を進めるために、9月初頭にもロシア議会が恩赦を法案として可決しようとしていることは、重要な点である。いったい、どんな条件と、誰の保証によって、誰が降伏するというのだろうか。
この問題の答えを見つけるために、私はイングーシ、ダゲスタン、そして無論チェチェンを取材した。その結果、ロシア特殊機関による公式な報告がまったくデタラメであったことが判明した。
最初に重要なのは、政府のプロパガンダが私たちに信じ込ませようとしているような「武装解除」は存在しないということである。昨日まで森や山岳地帯、地下の隠れ家に行っていたような人々は、今日では検事局で軟禁状態にされている。それはなぜなのか?そして、彼らは誰なのかだろうか?
まず、ダゲスタンとイングーシの状況を説明する。同様のことはチェチェン共和国でも起こっているが、基本的にはそれぞれの共和国の情勢は異なっている。
・・・「武装解除、カディーロフ勢力の弱体化 (2)」に続く