チェチェン:捨てられた子どもたち

2007年3月23日 プラハ・ウォッチドッグ

原文: http://www.watchdog.cz/?show=000000-000002-000001-000186&lang=1

チェチェン(親ロシア派)内務省調査によると、チェチェンには約1000人のストリートチルドレンがおり、その数は近年になって増加しているという。子どもに対する虐待容疑で裁判を受けている親は、すでに1000人にも上る。ストリートチルドレンたちは、ガソリンスタンドで働いたり、物乞いや盗みをしながら生計を立てているが、彼らの多くは幼少時から煙草やアルコール、ドラッグに依存するようになる。

・・・第二次チェチェン戦争が始まったとき、ルスタムはたった10歳の子どもだった。彼の運命は、虐待される子どもにとっては、まったくありきたりなものだった。両親の離婚、愛情を与えてくれない義母、アル中の父親・・・。彼はもうすぐ17歳の誕生日を迎える。ルスタムは建設補助員の仕事をして1日に300ルーブル(約12ドル)ほどを稼いでいる。将来結婚するときのためだ・・・もう彼には、ストリートチルドレン時代を「人生でいちばん自由だったとき」と笑い飛ばすこともできる。

「・・・チェルノレチェ(グローズヌイ郊外)の村にもストリートチルドレンは腐るほどいる。彼らは基地や廃墟に住み着いているんだ。中には僕が知っている子どもたちもいて、僕は彼らをあそこから連れ出そうとしたことだってある。知り合いの警官に話をして、彼らを家に帰してもらったんだ。でも、その子はまた家を逃げ出してしまった。今、その子は刑務所にいる。犯罪に手を染めてしまったから。本当に大勢の子どもたちが、そうやって子供時代を終えるんだ。刑務所の中でね」


ルスタムは、伝統を大切にしてきたチェチェンの大人たちにとって、彼らのような存在は恥でしかないだろうと考えている。大人たちは、ストリートチルドレンのことを見て見ぬ振りをするし、あからさまに彼らをののしることもある。かつて、イングーシの孤児院に入れられたとき、ルスタムはたった数日でそこから逃げ出した。職員が自分にどなりつけることに耐えられなかったからだ。彼はイングーシの孤児院が閉鎖されてよかったと思っている。ルスタムにとって、孤児院での「教育」は、子どもたちを精神的に腐敗させる以上のものではなかったから・・・。

・・・チェチェンには、閉鎖された孤児院から追い出された子どもたちを引き取ろうとする人たちも多い。けれども、煙草やアルコールによってすでに心身を病んでしまったり、ドラッグに依存してしまっている子どもたちを、彼らが家族として受け入れることはできるのだろうか。