リトアニア「サユジス」が欧州評議会・欧州議会・欧州安全保障協力機構(OSCE)に公開書簡を送付

拝啓:Mr. RENÉ VAN DER LINDEN(欧州評議会議長)/Mr. HANS-GERT POETTERING(欧州議会議長)/Mr. MIGUEL ANGEL MORATINOS(OSCE代表)

リトアニア「サユジス」*1
ヴィリニュス市議会
要請

RE: チェチェン人への全般的な人権侵害

2007年9月6日 ヴィリニュス

原文:http://www.caucasuslive.org/eng/index.php?option=com_content&task=view&id=134&Itemid=2


 私たち―以下に署名を行ったヴィリニュス市のリトアニア政党「サユジス」の代表―は、1991年9月6日のチェチェン独立記念日の16周年を祝福する。チェチェン民族は、国際法を遵守し、もっぱら平和的・民主的・合法的に、独立国家としての地位を回復した。

 ロシア政府は、チェチェン人の民族自決権と民主的に選出された正当なチェチェン政府を認めてこなかった。ロシア政府は、1997年5月12日にロシアとチェチェンが結んだ平和条約を侵害し、極めて残虐な暴力によって、チェチェン共和国の独立を取り潰そうとしてきた。

 「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(1966年12月16日採択)第一条は次のように定めている。「すべての人民は、自決の権利を有する。この権利に基づき、すべての人民は、その政治的地位を自由に決定し並びにその経済的、社会的及び文化的発展を自由に追求する」。チェチェン民族はこの基本的な権利を奪われている。

 チェチェンでは、ロシア政府が、まったく際限のない暴力―自我の暴走と犯罪―を振るい続ける犯罪的な軍事組織に権力を与えている。

 2003年にロシア占領軍がお膳立てをした憲法「改正」も、それに続くチェチェンでの大統領選挙および議会選挙も、合法的なものではない。なぜなら、それは国民の意思をいかに捏造・偽造するかというモデルにすぎなかったからである。

 国際組織は、ロシアによるチェチェン戦争の法的・歴史的背景を無視しており、チェチェン民族の過激化を間接的に容認している。

 チェチェンの今日の状況は悲劇的なものである。

  • 1) 10万人以上のロシア兵が駐留している。
  • 2) 生存権が保障されていない。国内に恐怖が蔓延している。
  • 3) チェチェン人はロシア軍と傀儡軍の双方によって脅かされている。
  • 4) 1994年12月11日に軍事行動が始まってから、チェチェンでは4万2000人の子どもを含む約30万人が殺されている。この損失がチェチェンに与える影響は、3000億ドルにも上る。もっとも、ロシア兵士も約4万人が殺されている。
  • 5) 30万人以上の人々が難民と化した。
  • 6) 国家経済とインフラが完全に破壊された。
  • 7) チェチェンの都市や居住地も破壊された。
  • 8) チェチェン全土で環境破壊が進んでいる。
  • 9) チェチェン人の30%以上がガンや結核、流行病にかかっている。新生児の半数は奇形児である。
  • 10) 全体的なロシア化が進んでいる。チェチェン語は公式文書や裁判所から完全に排除されている。学校を含め教育機関での教育はロシア語で行われている(例外的に郊外の学校では週に一時間だけチェチェン語の授業がある)。ラジオやテレビ、新聞など、重要なものはすべてロシア語で流通している。

 ゆえに私たちは以下のことを要請する。

  • チェチェン問題を包括的に検討・討議すること。
  • 人類が手にした最も重要なものは法であるという認識にもとづき、チェチェン問題を解決するために法を用いること。

それはあなた方の歴史的義務である。

 敬具

L. Kerosierius
The Chairman of Lithuanian Sajudis Vilnius City Council

A. Budriūnas
The Principal Secretary

For inquiries:
A. Budriunas, Gedimino Ave 1, Tel +370 673 95 837

L. Kerosierius, Tel +370 5 231 81 11, Erfurto St. 46-64, e-mail: leonaske@takas.lt This email address is being protected from spam bots, you need Javascript enabled to view it

*1:リトアニアの政党。1987年に創設され、リトアニア独立運動の要となった。