北朝鮮への人道支援を

HANK-NETでは、独自に水害復旧カンパも集めています。
http://www.hanknet-japan.org/appeal_07_09_16.htm


日本国政府 内閣総理大臣殿 外務大臣殿

北朝鮮人道支援ネットワーク・ジャパン(ハンクネット・ジャパン)

抗議声明 朝鮮民主主義人民共和国への非人道的制裁措置延長の撤回と水害に対する人道的緊急支援の実施を求める

 8月上旬に朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)を襲った大水害はここ十数年で最大の規模と言われ、約600名の死者・行方不明者、60万名の被災者が発生しました。
 更に全国の水田の20%、トウモロコシ畑の15%が被害を受けました。95年の大水害と慢性的な食糧難が未だ尾を引く同国では今年後半にかけて100万トンの穀物が不足すると言われており、特に女性や子ども、高齢者などの健康が危ぶまれ、被災地での疾病の流行や、今後かなりの長期間に渡り経済難が一層深刻になると危惧されています。

 甚大な被害に直面した朝鮮政府は、同国に駐在する国連人道機関やNGOと即座に現地調査を実施、国際社会に緊急支援を要請しました。この要請を受け各国政府やNGOが支援を表明し、現在のところ韓国や中国、アメリカ、ドイツ、EUシンガポール、オーストラリア、ニュージーランドフィンランドの各国政府が支援に乗り出しています。

 ところが周辺国政府やNGOが利害を越えて支援を開始するなか、日本政府はいまだ支援の要請に応えようとせず、全くの無視を決め込んでいます。8月17日には国連のもと支援国会合が開かれ、日本政府も一応参加したものの、何の発言もしなかったと報道されています。更に日本赤十字社が独自の支援に乗り出しましたが、政府は一切関与していません。また日朝会談の直前に支援をほのめかしておきながら、結果が思い通りのものでなければ白を切ってなかったことにしようとする稚児的な振る舞いは、関係者や周辺諸国を愚弄するだけでなく、ただでさえ低い日本政府の外交政策の品格を更に貶めるものです。

 このような冷酷な態度をとるのみならず、唯一の定期航路であった万景峰号を入港禁止に処し、今回の水害により、朝鮮に住む家族や親戚の身を案じる在日韓国・朝鮮人の祖国往来・家族への支援を妨害しています。更には制裁措置の解除などを求めた在日本朝鮮人総聯合会の要請書を一考もせず送り返した行為に至っては、もはや政府としての最低限の体裁さえ捨て去り、日本政府自ら総聯および在日韓国・朝鮮人への憎悪を露出させたものと言わざるを得ません。言うまでもなく、この行為は日本国憲法に保障された請願権を全く顧みない、立憲国家の行政府としてあるまじき行為です。

 日本政府が露骨にこのような憎悪を見せつけることで、心無い日本人の排外主義・自民族中心主義を煽りたて、在日韓国・朝鮮人への迫害を後押しすることになるのではと真剣に危惧しています。国際法でも人道犯罪とされている人種主義的憎悪の煽動に政府自身が加担しているように写ります。

 私達は、こうした無慈悲かつ身勝手極まりない日本政府の態度を強く非難すると同時に、日本政府に対し次の事項を要求します。

  1. 直ちに水害に対する人道支援を実施すること。
  2. 万景峰号の入港禁止などの非人道的な制裁措置を撤回すること。
  3. 在日本朝鮮人総聯合会の要請書を受領すること。
  4. 在日本朝鮮人総聯合会およびその関連団体、在日韓国・朝鮮人への一連の不当な強制捜査を直ちに中止すること。

http://www.hanknet-japan.org/