統計学から見たロシア偽装選挙

[もう一つのロシア 12/15]
原文: http://www.theotherrussia.org/2007/12/15/statistical-evidence-of-russian-poll-fraud/

 12月2日に実施されたロシアの下院選では、ウラジーミル・プーチン率いる「統一ロシア」の勝利のために、ロシア全土で脅迫と偽装が行われていた証拠が挙がっている。バスに詰め込まれた投票者が投票所を次々と回っていく光景が目撃されているし、本来は投票者しか投票できないはずの集計機に、選管職員が大量の投票用紙を突っ込んでいるという、ひどいビデオが話題になっている。下院選の結果は、投票所が無人化していたコーカサス地域で、投票率が99%を上回るといった、とても信じられないようなものばかりだった。

 統計的分析によっても、今回の選挙が偽装同然だったという証拠が挙がっている。複数の調査によって、選挙区の投票率が高くなるほど、統一ロシアの得票率が高くなるという結果が出ている。すなわち、投票率統一ロシアへの支持率には、明らかに正の相関関係が見られる。同様に、投票率が高くなるほど、本来なら規則性はなく、およそ一定であるはずの無効投票率が低くなっている。この理由を説明できる唯一明らかな回答は、大規模に投票の水増しが行われていたということである。以下に独立系サイトからのグラフを示す。グラフは、投票率統一ロシアへの支持率の相関を表している。投票率統一ロシアへの支持率は、グラフの右上に到っては、同時にほぼ100%となっている。こんなことは通常は起こりえない。

 投票率が平均の50-55%を超える地域ではまずどこでも、平均を上回る投票数のほぼ100%が統一ロシアへの投票になっている。チェチェンにおけるプーチンの支持率が99.5%だったことを正当化しようとしたクレムリンのスポークス・パーソンは、この点について何ら説明をしようとしていない。

 こうしたあからさまな偽装に対する欧米諸国の反応は、プーチン政権が民主主義を根絶しようとしていることに関して「懸念」を表明するという、お決まりのか弱い表現よりは、厳しいものだった。とはいえ、ロシア政府による選挙の偽装をやめさせる動きはほとんどなかった。それどころか、やめさせようとする動きさえ、なかったと言えるかもしれない。ロシアは、依然としてG8(主要八カ国首脳会議)の中で比類なきミステリーになっている。