欧州人権裁判所、ロシア政府に賠償を命じる判決

ootomi2008-12-18


(2008年11月14日、ストラスブール、プリマニュース)ヨーロッパ人権裁判所は、2001年の10月27日にチェチェンで起こった民間人の殺害について、ロシア政府に責任があるとする判決を下した。

 この事件は、2001年10月27日午後3時ごろ、3機の軍用ヘリコプターがコムソモールスコエ村に飛来し、地上を走行中の自動車を警告射撃した。ヘリの1機が着陸し、数人の兵士が降機してその自動車を機関銃で銃撃して炎上させ、農作業から戻る途中の15歳のアフメッド・ガカーエフと20歳で二児の母であるのザリーナ・マジドーヴァを拘束し、ヘリで連れ去った。
 2日後、軍は二人のチェチェン人の切断された遺体をグデルメスの軍事務所に運び込んだ。10月30日になって検視が行なわれたが、ロシア政府はこのときの所見の法廷への提出を拒否した。そのため、二人が自動車への銃撃の時に死亡したか、その後かは判然としない。

 ロシア政府は殺害を否定していないものの、アフメッドとザリーナは武器を携行しており、これを隠匿しようとしたために、ヘリからの警告銃撃を加えざるを得なかったと主張している。2005年、捜査は恩赦の関係で中止された。

判決は次のようなものだった。
・アフメッドとザリーナはロシア軍兵士に殺害されており、被害者への銃撃が不可避であったことを立証できなかった。よってロシア当局はこの死に責任を有する。(基本的人権および自由に関する欧州議定書ECPHRFF第2条に違反)
・ロシア当局はこの事件に関して有意義な捜査を行なわなかった。(同上)
・本訴訟の申立人は、適切な法的保護を受けることができなかった。(同13条に違反)
・ロシア当局は、必要な証拠を法廷に提供することを怠った(同第38条に違反)

また、判決はロシア政府側に総額119,500ユーロ(日本円でおよそ1500万円)の支払いを命じた。

http://prima-news.ru/eng/news/news/2008/11/14/42171.html
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