「放射線被ばくに関する基礎知識」についての質問【第1信】


放射線医学総合研究所とのやりとりを公開します。

From: ootomi akira To: info@nirs.go.jp Subject: 放射線被ばくに関する基礎知識 サマリー版について質問Date: Tue, 31 May 2011 10:53:16 +0900

放射線医学総合研究所 さま

お世話になります。放射線被ばくに関する基礎知識 サマリー版について質問しております、大富です。

「100ミリシーベルト未満では放射線ががんを引き起こすという科学的な証拠はありません」という記述の根拠となった報告書を教えてください。URLと、日本語訳版があれば、そちらもお願いします。

サマリー版p1の最終段落にある、「放射線による影響は〜」の記述ですが、これは放射線量についての記述に欠ける、不完全な文だと思います。これは次文節にある100ミリシーベルトを超えない放射線という意味でいいのですか。

このサマリー版には、ヨウ素以外の放射性元素を体内に取り込んだときの内部被爆の問題について書かれていないようですが、それはなぜですか。

よろしくおねがいします。

大富亮


From: ootomi akira To: info@nirs.go.jp Subject: 放射線被ばくに関する基礎知識 サマリー版について質問+追加質問 Date: Tue, 31 May 2011 12:12:59 +0900

放射線医学総合研究所 さま

お世話になります。追加して質問です。

「基礎知識」では、100msvまでの被曝は安全ということが何か所か書かれていますが。これは期間の単位は何でしょうか?普通は毎時、毎年などがあると思いますが。

お返事をお待ちしております。

大富亮


From: 放医研広報課 To: Cc: Subject: 放医研ホームページ「放射線被ばくに関する基礎知識サマリー版」について Date: Tue, 31 May 2011 14:49:43 +0900

大富亮 様

 お世話になっております。ご連絡が遅くなり、大変申し訳ありませんでした。

 標記の件に係る研究者が総動員して、知恵を出し合い、話し合い作成しております。研究所のクレジットで出しております。個人が特定されるものではございませんので何卒ご理解いただきたく存じます。

 なお、ご質問いただいております内容につきましては、只今研究者に回答を依頼しております。 もう暫くお待ちいただければ幸いでございます。

 取り急ぎ用件のみとなりますがご連絡申し上げます。

独立行政法人放射線医学総合研究所
企画部広報課


From: 放医研広報課 To: Cc: Subject: 【放医研】放射線被ばくに関する基礎知識 サマリー版についてのご質 問 Date: Tue, 31 May 2011 17:41:02 +0900

大富亮 様

お世話になっております。お問い合わせありがとうございます。

国際放射線防護委員会(ICRP)は専門家の立場から放射線防護に関する勧告を行う国際学術組織ですが、2007年に発表した勧告の中に「がんリスクの推定に用いる疫学的方法はおよそ100mSv までの線量範囲でのがんリスクを直接明らかにする力を持たないという一般的な合意がある」と書かれています。日本アイソトープ協会から日本語訳が出版されています。

放射線による影響は〜」の記述には、量が明記していない点、大変失礼いたしました。HPの図に照らし合わせていただくとおわかり頂けるかと思いますが、○生活習慣、喫煙、ウィルス、細菌を原因とするがん死亡率が30%(1000人中300人)○放射線100mSvから計算されるがん死亡確率が0.5%(1000人中5人)となり、両者を比較して「放射線による影響は喫煙や食事などの生活習慣を原因とするがんの危険性の数十分の一」と表現しております。

ヨウ素以外の放射性元素を体内に取り込んだときの内部被についてですが、4月8日にアップしたサマリー版は、事故直後から比較的初期に重要な情報と言う観点でをまとめております。リアルタイムな情報提供として、4月14日にアップした「放射線被ばくに関する基礎知識 第6報」では放射性セシウムによる内部被ばく量についても説明しております。なおそれ以外の核種(ストロンチウムプルトニウム)については私共も十分な情報を得ておりません。

100mSvと健康影響との関係ですが・1度(ごく短時間)に受けた線量が100mSv以下の場合、確定的影響はまず発生しない・事故による被ばくの総線量が100mSv以下の場合、確率的影響の増加分は集団では検出できないことが、これまでの科学的知見から知られています。

 大変遅くなりましたが、以上ご返答申し上げます。


独立行政法人放射線医学総合研究所
企画部広報課


From: ootomi akira To: 放医研広報課 Subject: Re: 【放医研】放射線被ばくに関する基礎知識 サマリー版についてのご質問 Date: Tue, 31 May 2011 8:00:16 +0900

放医研広報課 さま

お返事ありがとうございます。

国際放射線防護委員会(ICRP)は専門家の立場から放射線防護に関する勧告を行う国際学術組織ですが、2007年に発表した勧告の中に「がんリスクの推定に用いる疫学的方法はおよそ100mSvまでの線量範囲でのがんリスクを直接明らかにする力を持たないという一般的な合意がある」と書かれています。日本アイソトープ協会から日本語訳が出版されています。

わかりました。

放射線による影響は〜」の記述には、量が明記していない点、大変失礼いたしました。HPの図に照らし合わせていただくとおわかり頂けるかと思いますが、

○生活習慣、喫煙、ウィルス、細菌を原因とするがん死亡率が30%(1000人中300人)
放射線100mSvから計算されるがん死亡確率が0.5%(1000人中5人)となり、両者を比較して「放射線による影響は喫煙や食事などの生活習慣を原因とするがんの危険性の数十分の一」と表現しております。

少し分からないのですが、結局のところ、文中で明示されるべき量はどれだけなのでしょうか。その点の訂正版は、いつ発行されるのでしょうか。期日を教えてください。

つぎに、現在、福島第一発電所からの放射能の流出は止まっていないことから、早い時期に100ミリシーベルトを累積線量として受ける人が出てくる可能性が、何人にも否定できないと思います。

たとえば205万人の福島県民が100msvの放射線を受けたとすれば、1万人少々がガン死亡するという理解でいいですか。

その上で、基礎知識にあるように、「過度に心配する必要がなく、普段どおりの生活をしていただいて何の問題もない」というのは、どのような判断基準によりますか。


また、先に質問したなかでお返事がない事柄ですが、次の質問については、いかがでしょうか。

「基礎知識」では、100msvまでの被曝は安全ということが何か所か書かれていますが。これは期間の単位は何でしょうか? 普通は毎時、毎年などがあると思いますが。

お返事お待ちしております。

大富亮

From: 放医研広報課 To: "'ootomi akira'" Cc: "'info'" Subject: 【放医研】放射線被ばくに関する基礎知識 サマリー版についての追加質問について Date: Wed, 1 Jun 2011 20:57:51 +0900

大富 亮 様

 お世話になっております。
 先般よりご質問のございました件、大変遅くなりましたが、下記のようにご返答申し上げます。

最初のご質問について:
 先の回答と重複する部分がありますが、ご容赦下さい。

現在、日本人の死因の第1位はがんであり、約3割の方はがんでなくなっています。その原因は喫煙や食事と言った生活習慣によるものが多いと言われています。この約3割と、放射線によるがんリスクの増加(100mSvにより0.5%のがん死亡の増加)の比較は、グラフから読み取って頂くことが出来ます。また図を理解することを目的として「前者が後者の数十倍」という説明文を添えております。

しかしながら、このリスク係数には不確実性が含まれておりますし、比較対象となる日本人のがん死亡率も変わりうる数値です。「○mSvの放射線影響は、喫煙や食事などの生活習慣を原因とするがんの危険性の○十分の一」といった記載は、理解を助けるものではありますが、有効数字の観点からはさほどの精度はないといえます。

2つ目のご質問について;
 205万人の福島県民が100msvの放射線を受けたとすれば、62万人程度の方ががんでなくなりそのうちの1万人は、原因が放射線かも知れない、と計算することは出来ます。しかし100mSvで0.5%のがん死亡の増加というリスク係数にはかなりの不確実性を含んでいます。

3つ目の質問について:
 これまでの国の防護対策は、現行法令や指針でカバーできないところはICRP2007年勧告をベースに講じているようです。ICRPの2007年勧告では、緊急時においては、原則、公衆の事故による個人線量が100mSvを超えないように防護するよう勧告しております(「100mSvに達するような線量は防護対策を常に正当化すると考える」)。よって、国の行う防護対策が機能している生活(=普通の生活)であれば、確定的影響の防止と確率的影響の有意な増加は起こらないと考えられます。

4つ目の質問について:
 弊所のHP等でお示ししている数値は、ICRP2007年勧告に基づいております。ICRP2007年勧告における低線量放射線の生物学的影響の記載は、「一回あるいは年間に蓄積された約100mSvまでの実効線量」を前提にまとめられています。 しかしながら、放射線影響の科学的知見の多くが、ヒトの疫学的手法により得られており、実験研究のような精度で数値が得られるわけではなく、確率的影響リスクの蓄積性についてはまだ明らかにされていない点も多くあります。しかし、ICRPは、防護の観点では年間100mSvより低い線量であっても1Svあたり5%の生涯リスクはあると見なしており、1年を超え連続して受ける線量は、毎年の被ばくによる生涯リスクに上積みされると示しています。

そこで放医研としては、1年を超える期間の線量もリスクが蓄積するとして、年間線量ではなく事故による線量の総線量として、100mSv(よって期限は生涯)として影響を評価しております。

独立行政法人 放射線医学総合研究所
企画部広報課

From: ootomi akira To: 放医研広報課 Subject: Re: 【放医研】放射線被ばくに関する基礎知識 サマリー版についての 追加質問について Date: Wed, 1 Jun 2011 23:23:55 +0900

その原因は喫煙や食事と言った生活習慣によるものが多いと言われています。

生活習慣によるものが多いということは、それ以外の要素もあるということですよね。日本には54基の原子炉があり、日夜放射能が排出されていますし、過去の原水爆実験、チェルノブイリなどによる放射能の影響としてガンがあるということは、否定できますか。端的にお答えください。

以下の質問を、もう一度させてください。質問と回答が整合できていない感じがします。

放射線による影響は〜」の記述には、量が明記していない点、大変失礼いたしました

>結局のところ、文中で明示されるべき量はどれだけなのでしょうか。その点の訂正版は、いつ発行されるのでしょうか。期日を教えてください。

そのうちの1万人は、原因が放射線かも知れない、と計算することは出来ます。しかし100mSvで0.5%のがん死亡の増加というリスク係数にはかなりの不確実性を含んでいます。

放医研の代表的見解として、100msvで0.5%のガン死亡増加という計算自体、信頼性がないと解釈している、そういう解釈でいいですか。


根本的な疑問なのですが、安全な人工放射線というものがあるんですか。人工放射線を医療の際に使用する場合も、被曝より疾病のリスクの方が大きいから、使用するのだと聞いています。そもそも危険なものであるという認識が、「基礎知識」からは感じられませんし、読者をミスリードしています。この点如何ですか。


先に、私はこう書きました:
 現在、福島第一発電所からの放射能の流出は止まっていないことから、早い時期に100ミリシーベルトを累積線量として受ける人が出てくる可能性が、何人にも否定できないと思います。

コントロール不能になっている燃料はチェルノブイリの3倍、その事故は終息していないにもかかわらず、「過度に心配する必要がなく、普段どおりの生活をしていただいて何の問題もない」という「基礎知識」の記述は、社会通念上、間違っていると考えますし、この点は修正が必要と考えます。重ねて問います。責任ある見解を、担当者名を明示してお聞かせください。

そこで放医研としては、1年を超える期間の線量もリスクが蓄積するとして、年間線量ではなく事故による線量の総線量として、100mSv(よって期限は生涯)として影響を評価しております。

興味深い見解です。人間が80年間生きるとして、累積100ミリシーベルトまでなら影響がないということですよね。

そうすると、年間1.25msvを平均して受けると。ICPRの一般人の被曝基準が1msvですから、それを25%上回る数字です。しかし福島の人や作業員の中には、事故後だけで既に累積20msvを受けている人が何人もいるわけで、そういう人を考慮すると、放医研の考える年間のスケールをはるかに越えています。

それでも、ガンのリスクにはまったく上昇はないということですか。

右、お答えをお待ちしております。

大富亮


From: 放医研広報課 To: "'ootomi akira'" Subject: RE: 【放医研】放射線被ばくに関する基礎知識 サマリー版についての追加質問について Date: Fri, 10 Jun 2011 20:37:07 +0900

大富様

大変遅くなりましたが、以下が回答となります。原子力災害対応のため、個々のご質問等についてはなかなか直ぐにはお返しすることができません。今後の質問で、当研究所で回答できるものがあれば検討し、ホームページに掲載して行きたいと考えております。どうかご理解の程、よろしくお願いします。

放医研 広報課

                                                                                                  • -

○その原因は喫煙や食事と言った生活習慣によるものが多いと言われています。

生活習慣によるものが多いということは、それ以外の要素もあるということですよね。日本には54基の原子炉があり、日夜放射能が排出されていますし、過去の原水爆実験、チェルノブイリなどによる放射能の影響としてガンがあるということは、否定できますか。端的にお答えください。

→ご意見については、行政の判断に対するものと思われます。
なお、米国人の対象とした調査結果でありますがHarvard Center for Cancer Prevention、1996)でありますが、がんの原因の内訳は、タバコが30%、食事や肥満によるものが30%、と最も占める割合が高いとされております。放射線と紫外線はその平均線量から推定すると2%です。

この2%のうち、核実験フォールアウトや原子力産業由来の線量は自然放射線に比べて遙かに少ないのでほとんど寄与しておりません。福島原発前のデータでは、日本での核実験フォールアウトは年間で0.0052mSv、原子力由来は年間0.00001mSvですので、日本人の発がんへの寄与もほとんどないと考えられます

○放医研の代表的見解として、100msvで0.5%のガン死亡増加という計算自体、信頼性がないと解釈している、そういう解釈でいいですか。

→100mSv以下の低線量放射線によるリスク推定には不確実性が伴う点は国際的な合意事項であり、ICRP2007年勧告や米国科学アカデミー研究審議会の下部組織(BEIR)の報告書などでも明記されています。

○根本的な疑問なのですが、安全な人工放射線というものがあるんですか。人工放射線を医療の際に使用する場合も、被曝より疾病のリスクの方が大きいから、使用するのだと聞いています。そもそも危険なものであるという認識が、「基礎知識」からは感じられませんし、読者をミスリードしています。この点如何ですか。

ICRPが勧告する放射線防護体系では、放射線利用に当たっては、行為の正当化(放射線によるリスクよりもベネフィットが大きい)、防護の最適化(被ばく線量は合理的に可能な限り低くする)そを図った上で、計画的な被ばくには線量限度を設けて、確定的影響の防止と確率的影響の低減を行う)ことになっております。ただし医療被ばくには線量限度は設けておりません。これは患者のベネフィット診断や治療の有効性を減じることで有害無益になる可能性があるからです。

○コントロール不能になっている燃料はチェルノブイリの3倍、その事故は終息していないにもかかわらず、「過度に心配する必要がなく、普段どおりの生活をしていただいて何の問題もない」という「基礎知識」の記述は、社会通念上、間違っていると考えますし、この点は修正が必要と考えます。重ねて問います。責任ある見解を、担当者名を明示してお聞かせください。

→ご意見については、行政の判断に対するものと思われます。私どもでも機会があれば、ご意見について国に伝えたいとは思いますが、直接、ご意見を関係行政機関に伝えられる方が適当と思います。

○そこで放医研としては、1年を超える期間の線量もリスクが蓄積するとして、年間線量ではなく事故による線量の総線量として、100mSv(よって期限は生涯)として影響を評価しております。

興味深い見解です。人間が80年間生きるとして、累積100ミリシーベルトまでなら影響がないということですよね。そうすると、年間1.25msvを平均して受けると。ICPRの一般人の被曝基準が1msvですから、それを25%上回る数字です。しかし福島の人や作業員の中には、事故後だけで既に累積20msvを受けている人が何人もいるわけで、そういう人を考慮すると、放医研の考える年間のスケールをはるかに越えています。それでも、ガンのリスクにはまったく上昇はないということですか。

統計学的推計によると、疫学的手法で100mSvのがんリスク上昇を検証するには、同様な条件で100mSvを被ばくした集団が数千人必要だそうですが、今のところ、そうした事態にならないように国が対策を講じていると評価しております。

放医研 広報課

From: ootomi akira ootomi@mist.ocn.ne.jp] Sent: Tuesday, June 14, 2011 8:34 AM To: 放医研広報課 Subject: Re: 【放医研】放射線被ばくに関する基礎知識 サマリー版についての追加質問について

放医研 広報課 さま

お世話になっております。

先般のやりとりをふまえ、公開質問状をお送りします。
ご確認の上、ご回答ください。添付書類は同文です。

大富亮

On Tue, 14 Jun 2011 21:28:07 +0900放医研広報課 wrote:

大富亮様

前略、現在放医研では東京電力福島第一原子力発電所事故に対し様々な対応を行っている状況で、個々のご質問に対して速やかに回答できる状況にありません。

回答方法を含めもう少しお時間ください。

よろしくお願いします。

放医研 広報課

On Fri, 24 Jun 2011 19:45:29 +0900 放医研広報課 wrote:

大富亮様

前略、既に新聞等で報道されておりますが、現在、弊所にて福島県の住民の皆様の内部被ばく検査に、全所を挙げて取り組んでおります。

ご示唆をいただき、大変ありがたいことと存じますが、
速やかに回答できない状況が続いており、もう暫くお時間を頂戴したく存じます。

何卒ご理解いただければ幸いでございます。

ご連絡が遅くなりました事お詫び申し上げます。

放射線医学総合研究所
企画部広報課

From: ootomi akira  To: 放医研広報課  Subject: Re: 返:【放医研】放射線被ばくに関する基礎知識 サマリー版についての追加質問について Date: Tue, 28 Jun 2011 08:53:47 +0900

放医研広報課 御中

当方の質問に対し、
いまだにお返事がないのはどのような理由でしょうか。
http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20110614/

再度、質問に関する当方の考えをお送りします。

放医研広報課 様

お世話になっております。
多忙であるとのこと、了解いたしました。

しかしながら、質問書へのご返答が何もないこと、回答の時期も提示されていないことは、残念です。

なお、回答を求めるのには、いくつか理由があります。

わたくしからは、貴研究所が発表した「基礎知識」に対して、一般の市民や研究者が当然にも感じるであろう疑問を、集約したつもりです。もしも、科学的な議論の俎上に乗るべくもない不適当な質問が含まれているのであれば、それはそのようにご指摘ください。

次に、この「基礎知識」は、国の研究機関=放射線医学総合研究所が、その権威のもとに市民に対して提示しているものです。

したがって大きな影響力があり、もしも間違いがあれば、外国籍市民を含む多くの人がそれに巻き込まれてしまいます。

ですから、社会からの疑問や、修正意見が寄せられて、それが正当なものであれば、それに応じて改訂されていくのが当然ではないでしょうか。

この正当性を確認するためには、今回のように在野からの疑問が提出され、文書の発行元はそれに対する回答を示し、この疑問と回答を社会的に客観的に検討するという一連の作業が、不可欠だと考えます。そのために、公開質問の形を取った次第です。

そして、こういった質問に対する回答は、貴研究所の研究者が、他の業務の「ついで」になすべきことではなく、情報発信を業務と規定しているならば、同時に業務として遂行するべきことではないでしょうか。

もしも、私のような在野の人間の質問に応じるだけの強度を持たない論文=「基礎知識」なのであれば、これはただちに撤回する必要があります。

速やかに回答できない状況が続いており、もう暫くお時間を頂戴したく存じます。

私はもとより、回答期限を貴研究所で設定するよう、お伝えしています。
回答をせず、かつ期限を示さないということは、将来にわたって回答するつもりがないと言っているのと、同じことだと思います。

引き続き、ご回答を心よりお待ちしております。

大富亮

From: 放医研広報課 To: "'ootomi akira'" Cc: Subject: RE: 返:【放医研】放射線被ばくに関する基礎知識 サマリー版についての追加質問について Date: Thu, 30 Jun 2011 13:48:05 +0900

大富 亮 様

 お世話になっております。
 ご返答ができず、大変申し訳ありませんでした。

 回答時期の件、何度も同じことで恐縮ですが、
福島第一原発事故以来、マスコミ、都道府県及び各市町村、個人からの問い合わせが殺到しており、こちら全て対応することが非常に困難な状態になっております。

 研究者に対しては、本来の研究業務以外に、メールでの対応の他、電話窓口での対応をしており、非常に時間がかかる状況になっております。

 また、先日から始まりました福島県の住民の皆様の内部被ばく検査の取り組みへ最善を尽くしたく、全所を挙げて対応しておりますころもあり、即座にお答えできるような状況でははいことをご理解いただきたく存じます。
 
 ご質問に対しましては、来週中を目処にご返答できるよう善処いたします。

 おっしゃる通り、弊所の発信情報は大きな影響を与えております事
承知しております。

 その点も加味し、ご回答を申し上げたく存じます。

独立行政法人放射線医学総合研究所
企画部広報課