止めよう原発再稼働!滞納しよう電気代! Part3

 おはようございます。

 電気料金の滞納の話がさらに続きます。

 電気料金の口座振替をやめてから、はや10カ月にもなった。前回の東電社員・背広氏の訪問から1カ月以上も過ぎ、もしかして、もう来ないのだろうか、いろいろ言いたいことがあったのに。と、少し寂しい気持ちになってもいたが、わたしは空いた時間に仲間と相談して、いくつかの仕掛けをしていた。その一つがこのビラ。
http://chechennews.org/sharedoc/fubarai/fubarai_bira.pdf
 デモでまいた人に聞いたところ、なかなか評判がよかったらしいので、ぜひダウンロードして、身近の人に配ってください。

 さてそんなある日、背広氏がふたたびわが家に現れた。律儀な人のようである。

背広氏:「また電気料金の支払いをお願いしに来たのですが、いつも通り、ご意見ですか」
私:「ええ。まず東京電力原発を止めてください」
背広氏:「しかるべき方法で、上に伝えます」
私:「でも、いっこうに止まりませんね・・・」
背広氏:「そんなこともありません。柏崎刈羽原発は5号機が先月止まり、動いているのは6号機だけです」

 この話は前にも聞いた覚えがあった。

私:「定期点検ですな。再稼働するつもりがあるなら、原発をやめたことにはならないでしょう」
背広氏:「地元の皆様のご理解をいただいて、進めることになると思います」
私:「ここも地元です。事故があったら現実に放射能が飛んでくるんですから」
背広氏:「個人的にはお気持ちわかります。会社としては、そういったご意見も、政府を通じて伺います」
私:「直接こうして伝える方が、まだましな気がします。ところで、今日はもう一つ伺いたいことがあるんです」
背広氏:「何でしょう」
私:「一般家庭の電気料金のうち、原発に由来するのは、何%ですか?」
背広氏:「それは・・・調べてみないと何とも言えませんが、事故前ですと、30%程度ということだと思います」
私:「そこをもう少し調べてほしいわけです」
背広氏:「お答えできるか分かりませんが、一応聞いてみます」
私:「そうしてください。あ、あともうひとつあるんですが」
背広氏:「はあ・・・」
私:「4月に電気料金の値上げをするとか」
背広氏:「まだスケジュールは決まっていませんが、一応その方向で。まず規制部門(企業向け)から値上げになると思います」
私:「その値上げに、原発事故の賠償は含まれているんですか?」
背広氏:「直接には含まれていません。あくまで燃料の調達コストです。いま東京電力も経営が大変なことになっていまして、お客さんにもお願いをすることになるかもしれません」
私:「それは変ですよ。私たちは東電の経営を良くするために電気代を払っているんじゃありません」
背広氏:「・・・と言いますと?」
私:「電気が必要だから電気代を払っているんです。東電が間違ったことをして倒産するなら、それも社会では当たり前のことですし、発電送電の設備や人員が残っている以上、それを他の企業体なり国なりが、ひきつぐでしょう。燃料費と賠償で東電がつぶれそうだから、電気代を値上げするというのは、なにかおかしい。しかも危険な原発をこれからも使う、滞納したら電気を切るでは、そちらの都合ばっかりじゃないですか
背広氏:「私どもは民間企業ですから、企業として存続しようとするのは当然です
 まあ、東電としては〈当然〉なのかもしれないが、現に放射能を世界中に放出しているのだから、東電も相応の批判を受けていいはずだと、私は思っている。
私:「いや、その〈当然〉という発想がおかしいのですよ。東電は単なる民間企業ではなくて、全家庭にインフラを提供する独占企業でしょう。今までだって十分以上に規制で守られてきた。それなのに、そちらの西沢社長なんかは、〈値上げは権利だ〉と豪語したとか。心底腹が立ちました。一度倒産しないとわからないみたいですね」
背広氏:「ええと、今の〈当然〉は撤回します」
私:「そうですか。じゃ、要望と質問はしましたから、回答をお待ちしてます」
背広氏:「ところで、今日のお支払いは・・・」
私:「次回支払うと思います」
背広氏:「・・・よろしくおねがいします」


 というわけなのだった。早く東電の中で、「原発をやめたほうが料金の回収コストがかからず、現場の社員の負担がずっと少なくなる」という声が芽生えて、会社を変えてほしいものだ。もっと多くの人が口座振替をやめないと、そうはならないが。

 電気料金について考えてみると、東京電力の営業利益の9割は、家庭が支払う電気料金(規制部門)から出ている。あとの1割が「自由化部門」と呼ばれる企業向けの電気だ。ようするに、ほとんど家庭に電気を売ることで成立している会社なのだ。

 東電はまず、自由化部門の電気料金を値上げする。すると当然、企業や自治体では、料金の安いPPSなどに切り替えが進む。かりにPPSの料金が東電の料金より1割安く、今後の東電の値上げ幅が2割だとすると、PPSに切り替えただけで30%の経費削減になるから、この動きは止められないだろう。これは彼らとしても織り込み済みだ。早晩、東電は自由化部門そのものを見限るのではなかろうか。

 自由化部門の顧客が流出すれば、東電はますます、家庭向けの電気料金に依存することになる。なにせこちらは、いくら電気料金を値上げしても逃げない顧客なのだ。しだいにどうでもよくなってくる自由化部門を先行して値上げするのは、家庭からさらに金を吸い上げるためのサクリファイスにすぎない。

 それにしても、あれだけの事故を起こして、なお原発を使いつづけるのはどうしても納得いかない。滞納するのは、そんな理由からだ。北海道電、東北電、中部電、関電、北陸電、中国電、九電のサービスエリアに住んでいる人にも、ぜひやってほしい。

 今、口座振替をやめると、集金人が督促に来るのは2、3カ月後なので、ちょうど全国各地の原発の再稼働の時期と重なり、意見を言うにはまたとない時期になる。ぜひ、一人でも多くの人に口座振替をやめてもらいたい。詳しいやり方は、ビラをご参照ください。pdf版:http://chechennews.org/sharedoc/fubarai/fubarai_bira.pdf

 それではまた明日まで、お元気で。