人はものを買えば買うほど不安になる。

 自分という人間がどんな者だったかを書き残す誘惑に抗えなかった者が、矮小な自己を後世に晒すか、あるいはあっという間に忘れ去られて、すべてが徒労に帰する。
 思想や行動を「まとめる」ことは、本来不完全で、同時に広がりを持つものを、小さな箱に追い込み、封じてしまうことでもある。
 誰か他者のためにした仕事の片鱗が、どこかに残ってさえいれば、それで十分に幸せではないか?

 社会の中で行動するつもりもないのに、議論するだけで真理に近づけると考えるのは、本当にバカだと思う。行動して、誰か一人でも助けることが大事なのだ。