チェチェン・ドキュメンタリー

YouTubeで公開されているチェチェン・ドキュメンタリーです。
http://www.youtube.com/watch?v=qM6n3BGRNTo

2003年9月、北オセチア・ベスラン学校占拠事件後に撮影された映像で、主に独立派ゲリラたちの声が紹介されています。以下に一部を紹介します。

「・・・ベスランのことは語りたくありません。ベスラン事件のようなことはチェチェンでは毎日起こっているからです・・・誰が子どもたちを戦車から撃ったというのですか?あるいはヘリコプターから?ベスラン事件の実行犯たちは、戦車やヘリコプターで学校を攻撃したわけではありません。装甲兵員輸送車や火炎放射器だって持っていなかったではないですか」


「すべての始まりは2001年のことでした。親友と従兄弟が運転中に誘拐され、銃撃されて埋められたのです。遺体は身分証明書と一緒に見つかりました・・・2002年には、彼の一番年下の従兄弟と、私の三番目の従兄弟が誘拐され、今も行方不明のままです。2ヵ月後には、兄が誘拐されました。もう2年間も行方がわかりません。去年のことだと思いますが、年上の従兄弟も誘拐されました・・・そして3日後に遺体で発見されました。もう私には兄弟も従兄弟も一人しか残されていないのです」

「最近、女性と3ヶ月の赤ちゃんが掃討作戦に遭いました。70〜80歳の老人も。老人は連れ去られていきました。もう言葉がありません」

「この戦争は、人々を殺戮し、チェチェン人を絶滅させるために始められたのです」

「誰もチェチェン人に対して行われているジェノサイドについて語ってくれることはありません。誰もハンカラの周囲にあるキャンプのことなど気に留めませんし、ルポイにあるロシアの基地のことだって気に掛ける人などいません・・・そこでは人々が殺され続けているというのに」

マスハドフプーチンに対して幾度も対話を呼びかけていました。プーチンがそれを拒絶したのです。マスハドフをテロリストだと非難してね。ところが、プーチンは今カディーロフ[訳注:ラムザン・カディーロフ]を支持しています。戦争が始まる前に二度も殺人を犯した人間を。一度目はガソリンスタンドで。奴は順番を守らなかったために、老人に注意をされたのですが、それで老人を撃ったのです・・・賭博場でも同じことが起こりました。ビリヤードのキューを貸そうとしなかった人間を撃ち殺したのです。奴はただの人殺しですよ。そして、プーチンはこの人殺しを喜んで支持しています」

「昔は甘い幻想を持っていました。欧州やブッシュのアメリカが、真の民主主義国家で、私たちが倣うべき国なのだという幻想を。けれど、その後、気づいたのです。彼らは自分の利益にならないことは、少しも気に掛けないのだ、とね。チェチェンは破壊されつつあります。この特異な民族を、本来なら世界に何らかの形で貢献できるはずの私たちを、誰も気に掛けてはくれないのです」