リトビネンコ関連ドキュメンタリー相次いで公開

岡田一男さん(映像作家)から寄せられた情報です:

『二人の高名なドキュメンタリー作家によって制作されたアレクサンドル・リトビネンコ関連作品が発表された。オランダ屈指の映像作家で、「踊れ、グローズヌイ!」(2002作品 2003年シカゴ国際ドキュメンタリー映画祭グランプリ受賞)や、「新帝国の創生」(1998)でチェチェン問題を取り上げてきたヨス・デ・プッターは、オランダのテレビ局のために1時間番組「追悼!、アレクサンドル・リトビネンコ」(56分)を製作、1月に初放映、この5月20日には、ロンドンでデ・プッター自身が出席するプレゼンテーションが、有力ジャーナリスト団体「フロントラインクラブ」の主催で開催され、BBCなどのマスコミに大きく報道された。
http://www.frontlineclub.com/club_events.php?event=438
http://news.bbc.co.uk/hi/russian/uk/newsid_6677000/6677603.stm(露文)

また、ロシア出身の映像作家で、ドイツを中心に演劇、劇映画、ドキュメンタリーに幅広く活動し、ドキュメンタリー作品では、モスクワ住宅爆破事件を扱った「不信」(2004年作品、カラチ国際ドキュメンタリー映画祭グランプリ受賞)で知られるアンドレイ・ネクラーソフが、「反乱!リトビネンコ事件」(1時間53分)をこのほど完成した。カンヌ国際映画祭当局は急遽、この作品を上映プログラムに追加し、今週土曜日に上映される。この上映には、監督と共に未亡人のマリーナさんも出席すると、有力映画業界紙「ヴァライエティー」が伝えている。
http://www.variety.com/index.asp?layout=Cannes2007&jump=story&id=1061&articleid=VR1117965606&cs=1(英文)

注目すべきは、二人の映像作家が、いずれも生前のリトビネンコと親しく交友関係を持ち、それぞれ取材を数年前から進めていたことである。ヨス・デ・プッターは、2004年当時行ったインタビューで、リトビネンコが自分の毒殺を思わせる将来を既に予測していたと語っている。また、アンドレイ・ネクラーソフの2004年完成の作品、「不信」は、リトビネンコの著書「FSBはロシアを爆破する」を参考にしており、リトビネンコの死に立ち会い、葬儀でも大きな役割を果たした。

筆者もまた、2004年後半から何回かリトビネンコに電話インタビューを行い、2005年秋にはロンドンで実際に会って意見交換をした。2003年春に知り合ったヨス・デ・プッターの「踊れ、グローズヌイ!」は、昨年暮れに遂に日本語版字幕制作にこぎつけ、目下各地で好評上映中だ。既に、ヨス・デ・プッターは、東京にDVDを送ると約束してくれている。残念ながら、アンドレイ・ネクラーソフの「不信」は、配給元との上映権利料が折り合わず、未だ日本語字幕版制作の見通しが立っていない。しかし100分版、54分版ともに英語版の試写は可能である。また、英国の大女優ヴァネッサ・レッドグレイヴが彼にまとめさせ、ナレーションを読んだ小品、「チェチェン、子どもの物語」も手許にある。ネクラソーフにも試写用のコピーの提供を近ぢか依頼する予定である。』

筆者の連絡先 kazuokada1@hotmail.com

追記

アンドレイ・ネクラーソフ「反乱!リトビネンコ事件」のサイトはこちら(音が出ます!):
http://www.dreamscanner-productions.com/litvinenko/
>Sさん、情報ありがとうございます。(邦枝)