正月に「暗殺!リトビネンコ事件」が商業公開

 映像作家の岡田一男さんからいただいた情報です:

 アンドレイ・ネクラーソフ監督の長編ドキュメンタリー、原題「反逆!リトビネンコ事件」が、「暗殺!リトビネンコ事件」として正月、東京渋谷のユーロスペースで単館上映ながら商業公開されることになり、作品宣伝のためネクラーソフ監督と共同製作者のオリガ・コンスカヤさんがあわただしく来日しました。

 非常に短い日程でしたが、ネクラーソフ監督は精力的にマスコミのインタビューに応じていました。私も、関係者と共に昼食を共にし、将来の協力関係について、非常に前向きな意見効交換を果たしました。アンドレイが立て続けのマスコミ・インタビューに応じている傍らで、オリガとひそひそ話を続け、彼らのプロダクションであるドリームスキャナーの微妙な立場についても知ることが出来ました。
 彼らのプロダクション、ドリームスキャナーの活動に対しては陰湿な攻撃が、ロシア連邦保安庁(FSB)側からなされており、ロシアに置いてあった素材類などは、多くが破壊されてしまったこと、その後、ヨーロッパ各地の友人に頼って、素材、原版などを分散させる一方、完成作品を国外から郵送でロシアに送ると、ほとんどのDVD、ビデオカセットが、行方不明になるので、全て友人・知人が携行して国内に持ち込むか、国外のウェブサーバーからダウンロードした画像を支持者たちが流通させており、まるでペレストロイカ以前のサモイズダート活動(地下出版)ですと、語っていました。
 私が、アムネスティ・インターナショナル日本と彼の前作「不信」の非商業上映を企画しながら、配給者のカナダ国立映画制作庁(NFBC)との交渉不調で、オランダのヨス・デ・プッター監督の「踊れ、グローズヌイ!」を人権映画フェスティバルで公開することになったこと、その上映活動が順調に過去一年展開されたことを告げると、NFBCがDVD化を見送ったので、自分たちのプロダクションである「ドリームスキャナー」の裁量でDVDの権利を取引できること、英国の大女優、ヴァネッサ・レッドグレイブと制作した短編「チェチェン 子どもの物語」と共にDVD化をするなら、自分たちでヴァネッサとの交渉は引き受けるからと、非常に前向きな話し合いが出来ました。
 私自身も、当面は、本業の制作活動の他、ヨス・デ・プッター監督の「追悼、アレクサンドル・リトビネンコ」を11月23日午後の追悼集会、文京シビックセンター4fホール、主催、チェチェン連絡会議など、で公開するため字幕付けをすること、昨年来懸案となっているチェチェンの映像作家ザーラ・イマーエワの児童ミュージカルビデオ「お隣さん」の字幕制作など、チェチェン関連映像ボランティア活動の課題が山積み状態なのですが、既に入手している完全版VHS画像でスーパー入れ作業を続け、公開時には画質の良い画像を送ってもらい差し替えることなど、将来の段取りについても取り決めました。
 東京シネマ新社プロデューサー 岡田一男