ウクライナ キエフより

南無妙法蓮華経

二〇〇一年六月一八日
ウクライナ キエフ

 合掌 しばらくご無沙汰いたしました。カナダ・北米の東西を巡る間にも、日本、西天ネパールの種々の時代相を伝える風聞に接しています。いかがお過ごしでしょうか。
 カナダ東部の主要都市、トロント、オタワ、モントリオールを巡り、科学者、医師の平和運動者の間でソ連崩壊十周年の間に激変したロシア、チェチェンの武力戦争が将来にもたらす危機を訴えました。全北米のアメリカインディアンの精神的指導者がこぞって、この危機が古来伝えられてきた予言であるインディアンの使命と悟り、平和創造に立ち上がることを相はかっています。また、百年前、コーカサスからカナダに移住したロシア農民のキリスト平和者の共同体も、チェチェン平和解決に共同歩調を取ることを決定しました。
 去る六月七日トロントを発ち、途上英国ロンドンで再度ヨルダンのエルハサン皇太子と協議を持ち、先週一三日久々にウクライナキエフに入りました。
 カナダを巡錫中、ネパール王室一家全滅の報せに接しました。怒るべくして起きた国位喪失の難であります。自界叛逆難もまた目前にあります。西天全土において必定して起こるべき大変動の前相でありましょう。ここにこそ法華経本門の寿量品の三大事が西天還帰すべき一大事因縁が到来しました。日本の仏法西天に還るべき瑞相にさきがけあそばされた御師匠様の西天開教が正にこれからその真相が明らかにされるのでありましょう。
 小子、本日新たにパスポートを切り替え、ウクライナの各道場を一巡したのち、七月初めに二週間ほどキルギスタンを訪ねます。
 二一世紀のユーラシアの帰趨を決める中央アジアの同行に、大月氏クシャーン王朝に全盛期をむかえ仏法東漸の一大基点となった中央アジア仏教復興が重大な意義を持っています。キルギスタン政府より宝塔建立の宝土提供の申し出がありました。天山の雪峰を望む首都ビシケク郊外の景勝地を二ヶ所選定してきました。今全ユーラシアが文明の衝突の危機に直面しています。
 アフガニスタンタリバンによるバーミヤン仏像破壊はその一端であります。もはや一刻の猶予もならぬ転換期にこの宝土湧現の報に接しました。千載一遇の好機を得ました。
 当キエフにあと両三日滞在します。
 ネパール、ルンビニの仏事のゆくえが心にかかります。なにがともあれ、御師匠様のお志のあとを一心にみつめて自己の道を進みます。
 七月にロンドンの宝塔湧現のきっかけをつくったイランのサデック信士の息子オリバーが成人して日本に留学します。七月遠忌の時、赤子で清澄にお参りした宿縁を持っています。その時にあわせて小子も一時帰国を予定しています。どうぞ御体をお大切に。

潤世拝