ロシア当局、チェチェン独立派に武装解除を要求

ootomi2006-07-17


ロシア連邦保安局(FSB)の長官が、チェチェン・ゲリラに対して、8月1日までの武装解除と投降を要求した。一方、チェチェン独立派政権は、戦争の継続を唱えながら、G8サミットに対する声明の中でロシアに対する即時無条件の交渉の開始を要求している。だが、ロシアが交渉相手としているのは、あくまでチェチェン親ロシア政権であり、チェチェン独立派政権は撲滅の対象でしかない・・・。

ロイター通信

http://www.alertnet.org/thenews/newsdesk/L15297293.htm

2006年7月15日 モスクワ

ロシア治安当局の代表は、チェチェン・ゲリラに対して、15日以内に投降すれば公平な裁判を行うことを土曜日に確約した。この背景には、重要な野戦司令官(訳注:シャミーリ・バサーエフ)の死後、ロシアがいっそう独立派勢力を弱体化させようとしていることがある。「不法な武装グループに対して・・・現実を認めることを要求する」というロシア連邦保安局(FSB)長官ニコライ・パトルシェフの発言がロシア報道局によって伝えられた。

「我々には、8月1日までにチェチェン共和国または連邦政府の当局の代表者と話し合う準備がある」と彼は述 べた。

「我々は、ならず者たちとの交渉は認めない。(訳注:チェチェン・ゲリラたちは)武器を捨て、(中略)不法な武装グループから抜けるべきである」と彼は付け加えている。

パトルシェフの発言は、月曜日のシャミーリ・バサーエフ−ロシア当局にテロリストの容疑で追われていた有力な野戦司令官−の死を受けたものである。彼は、爆発物を積み込んでいたトラックが爆発した際に、輸送車に乗っていたために、チェチェン国外で死亡した。

1994年から続く二度のチェチェン戦争の中でゲリラを制圧しようとしてきたロシアは、一度ならずゲリラに転向を迫る材料を与えてきた。現在のチェチェンの親ロシア治安当局は、多くが元ゲリラによって占められている。

クレムリンによると、ロシアは宗教政権を樹立しようとしているムスリム軍と戦っているという。一方、チェチェン・ゲリラによると、彼らはロシア帝国から故国を取り戻すために戦っているという。

ロシア連邦保安局(FSB)は、多数の死者を出した2004年のベスラン学校占拠事件を始め、民間人に対する一連の攻撃に責任を負っていたバサーエフが、治安当局の作戦によって殺害されたと主張している。


ラジオ・リバティ

http://rferl.org/featuresarticle/2006/07/74A9E741-BF9D-4ED6-AF5E-A40A1027D58F.html

2006年7月15日 

ロシア連邦保安局(FSB)長官ニコライ・パトルシェフは、「チェチェン野戦司令官シャミーリ・バサーエフの死によってチェチェン・ゲリラに『平和な生活』を取り戻す機会が与えられた」と本日テレビで発言した。

ロシア最大のお尋ね者であったバサーエフは、トラックの爆発によって7月10日にイングーシで死亡した。当局は特殊作戦の成果だと発表しているが、独立派政権は事故であると主張している。

本日、インターネット上の声明で、独立派政権大統領のドク・ウマーロフは「戦争は続く」と表明した。

彼はバサーエフを称え、勝利を得るまで独立派は戦い続けると述べた。

主要国首脳会議(G8サミット)に対する声明の中で、チェチェン独立派政府は、北コーカサスの紛争を終わらせるために、即時無条件の交渉に参加するようロシアに要求している。