林克明・チェチェン日記

「チェチェン 市民の証言」

1月14日(土)午後10:10〜11:00 NHK BS1 BSドキュメンタリー 昨年9月3日の放送が延期になり、9月17日の予定も延期になって放送の実現があやぶまれていました。三度目の正直で本日の夜10時10分から放映されることになりました。(二度あること…

日本史上初のチェチェン戦争反対デモ

今日は、原稿の締め切り前日だというのに、東京池袋で行なわれた「チェチェン戦争反対」デモに行って来た。 2005年11月20日午後1時30分より、東京池袋の中池袋公園で集会が始まった。チェチェンの戦争がはじまってから、この12月で11年を迎える。 100万人の…

新書プレゼント

昨年「信濃毎日新聞社」で連載していた原稿が集英社新書としてまとまりました。『フォトジャーナリスト13人の眼』(集英社新書 日本ビジュアルジャーナリスト協会編)です。 チェチェンの原稿と写真は4点入っています。ほかにも、イラク、パレスチナなど厳…

新刊・「フォトジャーナリスト13人の眼」集英社新書

九・一一以降時代は恐ろしいスピードで動き、人間の尊厳は脅かされ、世界はより混沌の度合いを増しているかのようである。激変する世界の中で苦闘する人間の視点に立ち、「戦争」の現実や「世界」の裸の姿に肉薄しようと、日々戦うジャーナリストたちがいる…

ガイドブックで「迷い」

旅行ガイドブック「行ってはいけない」(仮称タイトル未定)のチェチェンの部分(26ページ)を担当している。「チェチェン問題とは何か」という囲み記事で躓いている。つぎのうち、何を中心に書こうか迷っているからだ。ガイドブックなので、このような文…

何がなんでも観てもらいたい映画

「戦争と人間」第一部〜第三部 三百人劇場で上映中 8月6日(土)〜8月19日(金) ■戦後60周年特別企画 『戦争と人間』560分(第一部〜第三部)一挙上映 1970年〜1973年作品 場所:東京都文京区「三百人劇場」http://www.bekkoame.ne.jp/~darts/ 無邪気な戦…

閉ざされた声=チェチェン(9) アレクサンドル

信濃毎日新聞2005年6月10日掲載の原稿を一部訂正 チェチェンのロシア人 空襲と市街戦で破壊された住宅が連なるグローズヌイ東部の市街地。「十月区」と呼ばれるこの地区に住むアレクサンドル・ヴラドフスキー(51)と彼の家族は、八畳ほどの広さの物置で寝…

閉ざされた声=チェチェン(8)ミカイル

信濃毎日新聞2005年6月3日掲載原稿を一部訂正 遺された表札 辺り一帯は、ロシア軍による爆撃と砲撃で変わり果てていた。しかし、半壊した家の門には、確かに「五一番地」と記されている。 グローズヌイ西部の住宅地。昨年暮れ、チェチェンに入って間もなく訪…

閉ざされた声=チェチェン(7)長老アブハジ(林克明)信濃毎日新聞2005年5月27日掲載の記事を改稿

急ぐな。急ぐとすべてを失う 二〇〇五年元旦、チェチェンのゲヒチュー村を訪ねた。首都グローズヌイから南へ車で約四十分。山岳部の入り口に位置するこの寒村にまでロシア占領軍は駐屯している。 日本人が村に来たと聞いて、一八九〇年生まれの長老アブハジ…

閉ざされた声=チェチェン

(6) タイーサ(下)(林克明) 2005年5月20日付け信濃毎日新聞記事を一部改稿 私には伝える勇気がある チェチェンの西隣にあるイングーシのナズラン市。二〇〇五一月十二日、住宅街の一角を封鎖したロシア連邦保安局(FSB)の特殊部隊員たちは、午後二…

閉ざされた声=チェチェン(5)タイーサ(上)

2005年5月13日付け信濃毎日新聞を一部改稿 終わらぬ戦争―娘の未来は 第二次チェチェン戦争が始まって間もない一九九九年十一月、チェチェンの首都グローズヌイは周囲の半分近くをロシア軍に包囲され、多くの住民が脱出していた。瓦礫の街には灯りも暖房もな…

閉ざされた声=チェチェン(4)マジーナ

2005年4月29日信濃毎日新聞掲載原稿(一部改稿) 「行方不明者」捜す女たち 「人間はこの世に一度生まれ、一度死ぬ」 二〇〇〇年三月、チェチェンの惨状を訴えるために来日した「チェチェン母親たち」代表のマジーナ・マゴマドワ(51)が語った言葉が今も忘…

バイナフ自由通信に連載します

林克明です。このサイトで、チェチェン取材に関する連載を始めると書いて以来、数ヶ月も経ってしまいました。遅ればせながら7月1日より、『バイナフ自由通信』で「チェチェン日記」を始めました。ぜひ読んでみてください。気が向いたときに読んでいただけ…

閉ざされた声=チェチェン(3)アブバカール

信濃毎日新聞2005年4月22日掲載原稿を一部改稿 <「生き抜く」という抵抗> チェチェンの首都グローズヌイ。外壁のレンガに弾痕が残るアパートの部屋には、ベッド以外に家具がなかった。この部屋に住むアブバカール・アミーロフ(52)は、白髪頭で、実年齢…

閉ざされた声=チェチェン(2)タマーラ(下)

信濃毎日新聞2005年4月15日掲載原稿を一部改稿 「民族抹殺」の犯罪を記録 再びビデオカメラを手に 一九九九年九月、チェチェンとロシアの停戦合意は破られ、第二次チェチェン戦争が始まった。ロシア軍は、第一次戦争(九四―九六年)をはるかに上回る大規模な…

閉ざされた声=チェチェン(1)タマーラ(上)

信濃毎日新聞 2005年4月8日掲載の記事を一部改稿 四年七ヶ月ぶりの再会 一九九四年十二月、ロシアからの独立を求めるチェチェンにロシア軍が侵攻し、第一次チェチェン戦争が始まってから十年余。チェチェン人女性タマーラ・カラーエヴァ(51)は、数々の…

チェチェンの報道番組

いろいろ問題があって進まなかったチェチェン戦争についての報道番組が放映されることが決まった。2004年9月末から準備し、11月には先行取材、12月から1月にかけて戒厳下のチェチェン領内に入った。奇跡的とも言える取材を実現しただけに、これまで番組がき…