元独立派が語るチェチェン情勢

マスハードフ大統領時代の独立派防衛大臣、マゴメッド・ハンビーエフが、ラジオ・リバティのインタビューに応じて、チェチェン情勢について語った。ハンビーエフは、親族を何十人も人質に取られて、ロシア側に降伏したチェチェン独立派の一人。現在、親ロシア派チェチェン議会で働いている。以下は9月19日付のラジオ・リバティの記事からの抄訳。


―議会ではどのような仕事をしているのですか?


「何百人もの人々が、行方不明の親族を見つけてほしいと言って私のところにやってきます。そのうち99.9%は何の罪もない人々だと思います。彼らは、チェチェン戦闘員の親族だったり、戦闘員に寝床や食料を与えただけの人々なのですから。私のところには、行方不明者を拘留した軍隊の司令官の住所や名前、家族に関する情報があります。拘留した人々に何をしたのか白状させるために、彼らを裁判にかけるのが私の仕事です」


―あなたはかつてチェチェン独立派の防衛大臣でした。そして、現在は親ロシア派議会のメンバーです。そのことがロシア政府の思惑に与える影響はどの程度あるのでしょうか?


チェチェンの状況は、数年前とは違います。よい変化としては、町や村の復興が進んだことがありますね。ですが、法執行当局に関しては、指揮権も統一されておらず、まったく混沌とした状態です。チェチェンでは、2000年以降、ロシア軍の駐留地が国内のいたるところにあり、各部隊がそれぞれ勝手に行動しています。誰かが行方不明になったところで、見つけることはほとんど不可能です。それぞれの部隊が、責任を回避して、互いを責め合っているわけですから。今日のチェチェンは、そんな連中で溢れかえっています。もしも、ロシア軍が兵舎に戻らず、軍の指揮権が統一されることもないのだとすれば、チェチェンの治安が回復する望みはないと思います」


―あなたは、チェチェン親ロシア派政府の代表として、アゼルバイジャンにいるチェチェン難民にチェチェンへの帰還を呼びかけていましたが、それはどの程度成功したのでしょうか?


「難民の大多数は、戦争から逃れてきた人々です。ところが、彼らはこう言うのです。『先にご自分のご家族をチェチェンに呼び寄せてはどうですか。そうすれば帰還事業がうまくいくかどうか、身をもってわかるでしょう?』
そこで、家族と一緒にチェチェンに戻ったのですが、ダゲスタンでは政府の特使だということを説明したにもかかわらず、5、6時間も拘束されました。というわけで、状況が好転するまでは、彼らをチェチェンに呼び寄せるような危険なことはできません」


チェチェンが独立を達成する可能性について、以前とは違ったお考えをお持ちですか?


チェチェンは人口も領土も小さいですからね。世界はチェチェンで何が起こっているかということなど知りもしないでしょうし、知っていたとしても気に留めてはくれません。何か事件が起ころうものなら、チェチェンに関する負のイメージばかりが振りまかれてしまう。チェチェンは、まさに世界の地政学的パワーゲームの中心に置かれているのです。ですから、自分たちが望んでいるような変化が訪れるとは、もう私には思えない。自由というものが、国際政治の変化の帰結としてもたらされることはあるのかもしれませんが」


―元同僚たちはあなたの変節を批判しています。彼らの批判はどの程度正当だと思いますか?


チェチェン共和国の外から私のことを批判するのは簡単なことです。チェチェン共和国の外で戦うことが簡単であるように。ですが、私たちがチェチェンに戻ってチェチェンの人々を守ろうとしなければ、誰が代わりにそんなことをしてくれるのですか?少なくとも、それは(私を批判している)ボリス・ベレゾフスキーのようなロシア人亡命者ではないはずです」