チェチェンニュース Vol.08 No.11 2008.10.07

http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20081006/1223300258 (HTML版)
発行部数:1649部
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INDEX

* 最近のポリトコフスカヤ関係の動き
* 「アンナへの手紙」アムネスティ・フィルム・フェスティバルにて上映決定!
* 【明日】アンナ追悼集会、モスクワの新プーシキン広場にて開催
* イベント情報

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最近のポリトコフスカヤ関係の動き

 あす10月7日は、暗殺されたアンナ・ポリトコフスカヤの命日。

 7月のチェチェンニュースでお伝えしたように、ロシア当局は、アンナ・ポリトコフスカヤの殺害事件の捜査について、「犯人はベルギーに逃亡した」と発表したが、その後音沙汰がない。また、昨年10月には、「犯人10人を逮捕した」として名前も公表されたが、これも結局釈放されている。

 アンナの命日が近づくと、また何か新しい発表がされるのではと思って調べてみたら、10月3日のモスクワタイムズにそういう記事があった。ロシア検察庁は、アンナ・ポリトコフスカヤ暗殺事件の捜査を終了し、法廷に送付したと発表しているのである。

 裁判の日程はまだ明らかにしていない。検察庁に設けられた捜査委員会は、すでにチェチェン人のジャブライル・マフムードフ容疑者とイブラギム・マフムードフ容疑者の兄弟と、モスクワ警察の組織犯罪対策部の元職員セルゲイ・ハジクルバノフ容疑者の3人の氏名を公表している。

 検察側はさらに、直接の殺害犯としてチェチェン人のルスタム・マフムードフ容疑者の名を上げているが、この人物はまだ逮捕されていない。ほかにも数人の共犯がいるという。この暗殺事件については、FSBのパーヴェル・リャグーゾフ中佐が関与したとして逮捕され、その後容疑が晴れたとされているが、今も職権乱用の疑いで投獄されている。

 事件からもう二年が過ぎようというのに、ロシア政府の発表はあいかわらず誠意がない。

ロシアと日本、そしてポリトコフスカヤを読むということ

 ところで、10月3日の東京新聞夕刊に掲載された「放射線」というコラムに、作家の星野智幸さんの意見が掲載されていた。

 「10月7日は、私が世界で最も尊敬するロシア人ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤの命日である。2006年のこの日、プーチン政権の闇を暴き続けてきたポリトコフスカヤは、自宅前で何者かに銃で殺された。・・・今、日露の関係はよくも悪くもない。だが、両国とも「愛国教育」を過熱させており、何らかの摩擦が起これば、相手を敵視することもありうる。そんな愚かな歴史を繰り返さないためにも、私はポリトコフスカヤを読み返す」

 紙面では、チェチェンで戦った若き日のトルストイや、明治の知識人、そして現在の戦争と、星野さんならではの視点で追悼が語られている。

参考: http://www.themoscowtimes.com/article/600/42/371403.htm
http://chechennews.org/chn/0721.htm

「アンナへの手紙」、上映決定!

 来年1月17、18日に開かれる「アムネスティ・フィルム・フェスティバル」で、エリック・バークラウト監督の「アンナへの手紙」が上映されることになった。今年の6月に難民映画祭で上映された作品ですが、1回限りの上映だったので、ぜひこの機会にご覧下さい。まだ詳細な情報がないが、1月17日の15時より上映予定。

 アムネスティ・フィルム・フェスティバル
 http://www.amnesty.or.jp/?aff09 

『2006年10月7日、プーチン大統領54歳の誕生日、ロシア政権を最も厳しく批評していたジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤはモスクワの自宅で暗殺される。弱者擁護の彼女はなぜ無念の最期を迎える事に?何千人もの流出を生み出しているチェチェンでの軍事政策を公然と非難したからだろうか?そしてその犯人は処罰を受けるのだろうか?』

原題: Letter To Anna 監督:エリック・バークラウト スイス(2008) 音声:英語・ロシア語 字幕:日本語 83分 ジャンル:ドキュメンタリー p.s. 72 productions

                (大富亮/チェチェンニュース)

アンナ・ポリトコフスカヤ追悼集会、モスクワの新プーシキン広場にて開催

 10月7日、私たちの同僚であり友人だったノーバヤ・ガゼータ特派員のアンナ・ポリトコフスカヤが殺害されました。この事件を記憶するための集会を、10月7日午後1時30分から3:15分にかけて、モスクワの新プーシキン広場で開催しますので、皆さんのお越しをお待ちしています。この集会は市当局の許可を得ています。(ノーバヤ・ガゼータ編集部より)

http://en.novayagazeta.ru/data/2008/72/02.html

 ということなので、モスクワに在住の方は、ぜひ参加&取材をお願いします。

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イベント情報

10/10 早稲田:第4回国際シンポジウム『東南アジアの紛争と平和』

「東南アジアの紛争」とはそもそも何なのか、宗教、民族問題、それとも政治経済的背景のなかでとらえられうるのか。海外ゲストを招き、深く議論します。 http://www.nindja.com/modules/eguide/event.php?eid=15

10/17 高尾:かむい語り2008

秋の高尾で、火のカムイを囲んでのトークライブ。川村兼一さんの語り、床絵美さんのウポポ・唄、港敦子さんのユカラ・語り http://gowest.sakura.ne.jp/archives/2008_9_16_228.html

10/17-10/21 関東各地:秋のアイヌ民族交流ウィーク

今年、衆参院全会一致で、アイヌ民族が先住民と認められた。アイヌをめぐる問題を知り、文化を楽しむ。イベント盛りだくさんの一週間 http://www.alles.or.jp/~tariq/pirika/ainuweek.html

10/18 文京:連続セミナー・<ナクバ60年>を問う【第3回】ヨルダン渓谷問題から日本のODA援助政策を問う

エルサレムの重要性が注目される陰に隠れてきたヨルダン渓谷地帯。ここで日本が進める開発計画「平和と繁栄の回廊構想」のあり方を、現地からの証言をもとに問題化する。 http://midan.exblog.jp/9715118/

10/21-26 明大前:JVJA写真展&映像展2008「生命の現場から:序章」

パレスチナイラクビルマなど、「戦場」の取材は、その地に暮らす人々の「生命」との出会いでもあった。「生命」にフォーカスした写真展&映像展。 http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20081001/1222814085

10/25 水道橋:板垣雄三講演会「アメリカの時代」の終り方 ―イスラームを透かして見る世界

世界中で、ポスト「アメリカの時代」に向けた動きがはじまっている。思想文化的な面も視野に、アメリカ後の世界の姿を考えたい。 http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20080928/1222605667

11/1 京都:死刑廃止京都集会2008秋

世界の死刑制度廃止の流れに逆行する日本の死刑制。マスメディアは世論が死刑制を支持していると強調する。人を裁くということを考える。高村薫さんの講演、シンポジウムも。 http://korosuna.exblog.jp/

12/1 荻窪:杉並・憲法の夕べ

変転する政治環境、いまこそ憲法問題の本質を。辻井喬さんの講演、市原悦子さんの朗読。 http://www.kateryna-music.com/main/images/flyer07.jpg

12/13 大阪:アフガニスタン・レポート 混迷の大地で

混迷を深めるアフガニスタン情勢。米軍、ISAFの爆撃は続き、タリバンの反撃もあって犠牲者は増加している。現地で取材を続ける白川徹さんの講演。 http://rawaren.blog36.fc2.com/

12/18 蒲田:カテリーナ・グジー クリスマス☆コンサート

ウクライナの歌姫、カテリーナ・グジーさんの民族楽器による演奏と歌。 http://www.kateryna-music.com/main/index.html

1/17,18 新橋:アムネスティ・フィルム・フェスティバル

(「アンナへの手紙」上映あり)今日、映画を観る自由があった。私たちが当たり前に思っていることさえかなわない人々がいる。その人々のことを知ろう。 http://www.amnesty.or.jp?aff09

映画・写真展など

9/6-10/13 本郷台:野町和嘉写真展『地球巡礼』

厳しい自然と向き合いながら生きる人々の文化性と力強さ。グローバリゼーションによって変わりつつある人々の心。30年余に渡って撮りつづけてきたピルグリム http://www.crevis.jp/event/nomachi01.shtml

9/13-10/25 東松山:今日の反核反戦展2008

正義の戦争などどこにもない。誰でもそう直感している。反戦反核を訴えるアーチストたち。 http://www.aya.or.jp/%7Emarukimsn/kikaku/2008/hansen/hansen.htm

11/21-12/7 下北沢:燐光群公演『戦争と市民』
戦争は、まだ終わっていなかったんだね…。防空壕跡に居ついた女性が目覚め、世界を変えようとする。「街」、「市民」の概念を洗いなおす。 http://www.alles.or.jp/%7Erinkogun/sensoutoshimin.html

12人の怒れる男

養父殺しの罪に問われるチェチェン人少年。12人の陪審員は、激論の末真実にたどりつく。 http:/www.12-movie.com

『ビリン・闘いの村』

パレスチナ暫定自治区ヨルダン川西岸のビリン村。若者たちは非暴力の闘いに立ち上がった http:/www.hamsafilms.com/bilin/

おいしいコーヒーの真実

世界第三位のコーヒー消費国日本。あなたがスターバックスで支払ったコーヒー代はどこに行く?コーヒー好きの誰もが見るべき映画です http:/www.uplink.co.jp/oishiicoffee/

『光州5.18』

韓国現代史や民主化運動に関心を持つきっかけに。1980年、韓国で起きた<光州の悲劇>を完全映画化 http:/may18.jp/

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