2005-01-01から1年間の記事一覧

チェチェンでのロシア政府による人権侵害、新たな証拠(アムネスティ・インターナショナル発表

アムネスティ国際発表ニュースアムネスティ日本 http://www.amnesty.or.jp/ ロシア:北カフカスにおける終わりのない甚大な人権侵害 AI Index:EUR46/038/2005 2005年9月30日アムネスティ、欧州連合(EU)・ロシア首脳会合に先立ち、新たな調査結果を発表…

英国はザカーエフをロシアに送還するか?

9月29日のインターファックス通信によると、駐英ロシア大使ユーリー・フェドトフは、英当局がザカーエフをロシアに送還するだろうとの見通しを語った。「6月のロンドンでの爆破事件に関連して、われわれは英国側に対して、チェチェン分離主義者のザカー…

「失踪」の新しい証拠を人権団体が発表

アムネスティ・インターナショナルとメモリアルの調査団は、チェチェンで明らかに組織的に行われている「失踪」と拷問、不正な裁判についての新しい証拠を発表する。この調査結果は、次週のロンドンでのヨーロッパ―ロシアサミットに向けて、9月30日(金)…

ロシア治安部隊が先に撃った――証言

北オセチア、ベスラン学校占拠人質事件犯人ヌルパシ・クラーエフの裁判が続いている。9月3日の治安部隊の突入のさい、当局側は「体育館の中で爆発があり、中から銃撃があったために突入した」としていたが、現場の近所に住んでいる市民、クズベク・トルビ…

週報

9月17−24日 アル・アルハノフ・親ロシア派大統領、ヨルダンとシリアに公式訪問。 9月20日 イングーシ・カラブラク村で警察官3人が射殺される。 9月21日 スイス・ベルンでチェチェンの数十の社会組織が集まり、フォーラムを開催。 9月22日 チ…

OSCEとチェチェン

今日この日の出来事とは関係ないのだが、OSCEのサイトで古い写真をみつけたので貼ります。The OSCE brokers peace in Chechnya, Russian Federation, in 1996. (OSCE)

「チェチェン独立は妥協しない」サドゥラーエフ発言

9月17日付けのチェチェンプレスによると、8月末にチェチェン独立派のサドゥラーエフ大統領は、抵抗部隊の兵士や<外国からの代表>たちに対するレクチャーを行なった。その中で同大統領は、「チェチェン人は決してチェチェンから去ることはない。われわ…

リトアニア司法、独立派Webサイトの閉鎖を支持

9月19日、リトアニア司法当局は、同国に置かれているチェチェン独立派のサイト「カフカス・センター」のサーバーの撤去は憲法に違反しないとの判断を下した。昨年チェチェンのバサーエフ司令官が北オセチア・ベスラン学校占拠事件に関与した件についての…

野戦司令官アフメド・アフトルハーノフ死亡

9月12日、独立派のアフメド・アフトルハーノフ司令官が、ロシア軍との戦闘中に死亡した。同司令官は2005年5月に東部戦線司令官に任命されていた。34歳。ジョハール・ドゥダーエフ初代大統領の警備、マスハドフ政権下での抵抗部隊指揮官を経験して…

「国際テロ組織のリストを作れ」ロシア外相発言

19日、第60回国連総会の場で、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、「すべてのテロリストと、テロ組織についてのリストを作成、公開すべきだ。アルカイダと関係があってもなくても、このリストから外すことはできない」とした上、ロシア政府としては「安…

ミハイル・トレパシュキン再逮捕

9月18日、元連邦保安局(FSB)将校で弁護士のミハイル・トレパシュキン氏が、ロシア当局に再逮捕された。同氏は、1999年のモスクワなどでのアパート連続爆破事件にロシア政府が関与した可能性を調査していた。トレパシュキン氏は、2004年3月…

新書プレゼント

昨年「信濃毎日新聞社」で連載していた原稿が集英社新書としてまとまりました。『フォトジャーナリスト13人の眼』(集英社新書 日本ビジュアルジャーナリスト協会編)です。 チェチェンの原稿と写真は4点入っています。ほかにも、イラク、パレスチナなど厳…

JVJA写真展開催! 集英社新書出版記念 写真展「フォトジャーナリスト13人の眼」

2005年9月20日(火)〜27日(火) 場所 キッド・アイラック・アート・ホール 開館時間 11:00〜20:00 期間中無休 ※ 27日(最終日)は16:00まで主催:日本ビジュアル・ジャーナリスト協会 後援:集英社新書編集部 協力:写真弘社 心情を詩に刻むパレスチナ人少…

新刊・「フォトジャーナリスト13人の眼」集英社新書

九・一一以降時代は恐ろしいスピードで動き、人間の尊厳は脅かされ、世界はより混沌の度合いを増しているかのようである。激変する世界の中で苦闘する人間の視点に立ち、「戦争」の現実や「世界」の裸の姿に肉薄しようと、日々戦うジャーナリストたちがいる…

ガイドブックで「迷い」

旅行ガイドブック「行ってはいけない」(仮称タイトル未定)のチェチェンの部分(26ページ)を担当している。「チェチェン問題とは何か」という囲み記事で躓いている。つぎのうち、何を中心に書こうか迷っているからだ。ガイドブックなので、このような文…

次々と明らかになる新事実−クラーエフ裁判

米・ジェームズタウン財団の「チェチニャ・ウィークリー」より http://www.jamestown.org/publications_details.php?volume_id=409&issue_id=3424&article_id=2370105 北オセチア最高裁判所には、ベスラン学校占拠人質事件の元人質たちがつめかけている。生…

何がなんでも観てもらいたい映画

「戦争と人間」第一部〜第三部 三百人劇場で上映中 8月6日(土)〜8月19日(金) ■戦後60周年特別企画 『戦争と人間』560分(第一部〜第三部)一挙上映 1970年〜1973年作品 場所:東京都文京区「三百人劇場」http://www.bekkoame.ne.jp/~darts/ 無邪気な戦…

西へ逃れる人々

閉ざされた声=チェチェン(9) アレクサンドル

信濃毎日新聞2005年6月10日掲載の原稿を一部訂正 チェチェンのロシア人 空襲と市街戦で破壊された住宅が連なるグローズヌイ東部の市街地。「十月区」と呼ばれるこの地区に住むアレクサンドル・ヴラドフスキー(51)と彼の家族は、八畳ほどの広さの物置で寝…

閉ざされた声=チェチェン(8)ミカイル

信濃毎日新聞2005年6月3日掲載原稿を一部訂正 遺された表札 辺り一帯は、ロシア軍による爆撃と砲撃で変わり果てていた。しかし、半壊した家の門には、確かに「五一番地」と記されている。 グローズヌイ西部の住宅地。昨年暮れ、チェチェンに入って間もなく訪…

「カフカスの悲劇、過去と現在」

カフカス基金による国際会議コミュニケ 2005年5月21日、イスタンブール http://www.kafkas.org.tr/english/index.html#none この会議の席上で発表された、チェチェン共和国大統領総代表、ウマル・ハンビエフの発言は次のURLに:http://d.hatena.ne…

閉ざされた声=チェチェン(7)長老アブハジ(林克明)信濃毎日新聞2005年5月27日掲載の記事を改稿

急ぐな。急ぐとすべてを失う 二〇〇五年元旦、チェチェンのゲヒチュー村を訪ねた。首都グローズヌイから南へ車で約四十分。山岳部の入り口に位置するこの寒村にまでロシア占領軍は駐屯している。 日本人が村に来たと聞いて、一八九〇年生まれの長老アブハジ…

NGOへの海外資金規制 ロシアが政変防止策? 

東京新聞7月22日付け。「プーチン体制のロシアではクレムリンの圧力を恐れ、企業からの政治、社会団体への支援は激減。活動は海外からの寄付などの資金提供に依存しているのが現実だ。チェチェン戦争に批判的なNGO「兵士の母委員会」のメリニコワ代表…

閉ざされた声=チェチェン

(6) タイーサ(下)(林克明) 2005年5月20日付け信濃毎日新聞記事を一部改稿 私には伝える勇気がある チェチェンの西隣にあるイングーシのナズラン市。二〇〇五一月十二日、住宅街の一角を封鎖したロシア連邦保安局(FSB)の特殊部隊員たちは、午後二…

ユーシェンコ大統領あての公開書簡

原文: http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20050518/1116381775 ウクライナで十四年間生活し、オレンジ革命にも参加したにも拘らず最近追放された日本の仏法僧より ユーシェンコ大統領殿 大統領就任百日を迎えられた事に対しまして心からお祝い申し上げます。 ご…

Vol.05 No.20 2005.07.17

発行部数:1665部 「上演されなかった『三人姉妹』」、その後 大富亮/チェチェンニュース ライトの落ちた劇場の席に腰をおろしたと思ったら、いきなり銃声が轟き、左右の扉を蹴破るようにして突入してきたゲリラたちに、私は銃口をつきつけられた。そういう…

閉ざされた声=チェチェン(5)タイーサ(上)

2005年5月13日付け信濃毎日新聞を一部改稿 終わらぬ戦争―娘の未来は 第二次チェチェン戦争が始まって間もない一九九九年十一月、チェチェンの首都グローズヌイは周囲の半分近くをロシア軍に包囲され、多くの住民が脱出していた。瓦礫の街には灯りも暖房もな…

閉ざされた声=チェチェン(4)マジーナ

2005年4月29日信濃毎日新聞掲載原稿(一部改稿) 「行方不明者」捜す女たち 「人間はこの世に一度生まれ、一度死ぬ」 二〇〇〇年三月、チェチェンの惨状を訴えるために来日した「チェチェン母親たち」代表のマジーナ・マゴマドワ(51)が語った言葉が今も忘…

バイナフ自由通信に連載します

林克明です。このサイトで、チェチェン取材に関する連載を始めると書いて以来、数ヶ月も経ってしまいました。遅ればせながら7月1日より、『バイナフ自由通信』で「チェチェン日記」を始めました。ぜひ読んでみてください。気が向いたときに読んでいただけ…

閉ざされた声=チェチェン(3)アブバカール

信濃毎日新聞2005年4月22日掲載原稿を一部改稿 <「生き抜く」という抵抗> チェチェンの首都グローズヌイ。外壁のレンガに弾痕が残るアパートの部屋には、ベッド以外に家具がなかった。この部屋に住むアブバカール・アミーロフ(52)は、白髪頭で、実年齢…