メディア時評・書評
エリック・アザン=著 益岡賢=訳 現代企画室刊 ぜひお勧めしたい本です。書評はもう少々お待ちください。(と)
(東京新聞10月3日夕刊「放射線」欄より) 10月7日は、私が世界で最も尊敬するロシア人ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤの命日である。2006年のこの日、プーチン政権の闇を暴き続けてきたポリトコフスカヤは、自宅前で何者かに銃で暗殺された。 4年…
(ミラーナ・テルローヴァ著/ポプラ社 \1,500 ) もうじき夏休みが来るので、小さな読書家たちにはぜひこの本を読んでほしい。 チェチェンでの戦争を子どもの頃から経験し、今は遠いパリで勉強をしている若い女性の書いた本だ。だまされたと思って読み始めて…
2月10日、沖縄で14歳の女子中学生が米海兵隊員に暴行されるという事件が起こりました。すでにご存知の方が多いと思いますが、6紙の社説(産経は「政論探求」)を読み比べて考えたことを書いてみたいと思います。 事件については、アジア女性資料センター、アク…
娘と映画をみて話す 民族問題ってなに?作者: 山中速人出版社/メーカー: 現代企画室発売日: 2007/06/01メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (7件) を見るハワイ生まれの高校生ナニと、民族問題研究者の父親が、いろいろな映画を見ながら民族…
先日、チェチェン総合情報/チェチェンニュースでお伝えした「チェチェン復興」に関する記事について、もう少し論じてみたいと思います。 まず、いつからいつまで行われたのかが、どの新聞にも明記されていませんが、あの取材旅行は「ロシア外務省が主催した…
10/6 産経新聞【書評倶楽部】NHK副会長・永井多恵子 『ロシアン・ダイアリー』 真実追い 殺された記者 灰色の髪、銀縁のめがねの奥から鋭い視線が読者を見据えている。 アンナ・ポリトコフスカヤ、ロシアの独立系新聞社の女性記者は2006年10月、何…
記憶――、といってももちろん、チェチェン戦争自体が過去のものになったと言いたいわけではない。それどころか、未だ現在進行形で続くこの戦争には次々と新たな「日付」が書き加えられていく。 昔ある知人が、(沖縄の米軍ヘリ墜落事件について)「事件は忘れ…
201×年、日本国内で大規模な連続テロが発生。日本中がパニックに陥る中、政府与党はテロを北朝鮮工作員の犯行と断定し、金政権への強硬政策を訴えて選挙に圧勝した。ところが、日本軍が北朝鮮に侵攻し、国民が戦争を支持するきっかけとなったテロ事件は、実…
『コーカサスの金色の雲』という小説がある。第二次大戦時、チェチェン人をはじめとした諸民族がスターリンによってカザフスタン等に強制追放されたが、その彼らのいなくなった土地にまた別の民族が移送され、この安易かつ非人道的な政策が現在にまで続く対…
生き続けるためには服従しなければならない。そんな光景がこの世界にはあふれている。つまり、反抗は死を意味するということだ。服従は必ずしも易々となされるのではない。苦しみ、痛み、悔しさ…数え切れないほどの涙を流し、叫び声を上げ、抱えきれないほど…
「私にはすべてが見えている――『楽観的な予測』を喜ぶことができる人がいるなら、そうすればいい。そのほうが楽だから。でもそれは自分の孫への死刑宣告になる」 本書『ロシアン・ダイアリー』を読んでなお、私たちは未来の世代への死刑宣告を下すことができ…
7/1 信濃毎日新聞 書評 池上彰 (TTさん、いつも情報ありがとうございます)
「人々に影響を与える方法は三つ、脅しとウォッカと殺しの恐怖」(ロシア大統領プーチン) 学術新書からすごいタイトルの本が出版されました。寺谷ひとみ著、「暗殺大国ロシア―リトヴィネンコ毒殺とプーチンの野望」。 http://www.bk1.co.jp/product/2794564…
「ロシア空軍ヘリ墜落事件」 4月末から5月末までの一カ月間、日本のマスコミによるチェチェン関連報道を見てみると、まずは4月27日にチェチェン領内で起こったロシア空軍ヘリの墜落事件記事を見つけることができる。といっても、これはいくつかの新聞に小さ…